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BMWミニについて

2022-04-30 | BMWミニ
BMWミニについて
 BMWがミニのブランドを入手する以前、ミニは生粋のイギリス車で、そもそもモーリスブランドで1959年に生まれた。その後、1952年、イギリスの大手2大自動車製造会社 Austin Motors(オースチン・モータース)と Nuffield Organization(ナッフィールド・オーガナイゼイション)グループが合併し、前者の Austin(オースチン)ブランド、後者の Morris(モーリス)、MG、Wolseley(ウーズレー)、Riley(ライレー)のブランドを所有するイギリス最大の自動車メーカーとなったのがBMC。元はモーリス社でその後はBMC(British Motor Corporation)なのだ。

 初代ミニ(現在では通称クラシックミニとも呼ばれる)は、1959年から2000年まで41年間、一度もフルモデルチェンジすることなく継続生産された。

 このBMCからミニのブランド権を入手したBMWにより、2001年よりBMWミニとして、R50、R56、現行のF56シリーズと3世代が継続生産され販売されている。

 設計はドイツの本社BMW社だと想像するが、生産はイギリス・オックスフォード工場で行われるが、一部車種(カントリーマンなど)だけオーストリアのマグナシュタイヤ社で行われているそうだ。

 このBMWミニは、従来FRモデルしか生産してこなかったBMWにとって初のFF車である。また、デザインモチーフは、旧クラシックミニのモチーフを随所に取り入れているが、メカニカルデザインとしては、一切クラシックミニとしての思想はなく、随所に見られるのはBMWらしい設計だとか部品が取り入れられている。また、BMW社のクルマは、特別スポーツモデルでなくても、「走る喜び」と表現する走りの良さとか、スポーティ感を訴求しているが、その思想は、このBMWミニにも踏襲されている。いか、BMWらしいメカニカルデザインとして、新生BMWミニに採用された主要メカニズムを述べてる。

➀徹底した高剛性ボデー
 このクルマの様に旧人気車のレトロデザインをリメイクする場合、VWビートルなどが典型的だが、既存のプラットフォームを利用して、アッパーボデーを被せ変えるというのが常套手段だが、このBMWミニは、そもそもBMW初のFFということで、その様な既存のプラットフォームがなかったこともあろうが、専用のプラットフォームを新設計している。なお、初代のR50と次作のR56では、基本プラットフォームは概ね踏襲している。F56で、フロントストラットタワー部をアルミ製にしたり、クラブマンのクォーターアウターパネルを樹脂化するなど、プラットフォームは新設計された。

②決して高級車でないFFだが、ドライブシャフトの左右等長化とか、リヤサスのインデペンデント化など、当時の同クラスの小型FFではコスト増から取り入れていないメカを採用している。

③フロントサスはストラット形式でL型ロワアームだが、FRのBMWで特徴的だった、L型ロワアーム前側ビボットをボールジョントとして遊びをなくし、後ろ側ブッシュを大容量として、前後へのコンプライアンスを確保しつつ、横方向へのキャンバー剛性を高める思想がそのまま採用されている。

④BMWミニはイギリスから世界各国に輸出されているが、日本でも人気ある輸入車で、ベンツ、VWに続くNo3の輸入台数を持っている様だ。VWニュービートルも初代は、そのレトロデザインで人気があったが、次作となるビートルで、車体が大きくなり過ぎたことや可愛さが欠落したというのが私見だが、人気は急落しつつ、VWでは販売を中止するに至った。VWニュービートルも、このBMWミニも、女性ドライバーの所有率が高いことがあると思えるが、その一つが、可愛さだとか、何処から見ても判るというアイコン性にあると云うのが私見でもある。このことは、既に登場から20年を経るR50でさえ、そのデザイン製では、何ら古さを感じさせず、クルマに関心のない者にも判る独自のアイコン性にあると意識している。

⑤小型スポーツ車という意味では、VWゴルフGTIというクルマは一世を風靡した時代があった。小さいけどキビキビ走り、山岳ワインディングロードを走れば、そのハンドリングの良さに舌を巻き、高速道路での安定性も優れているというものだった。このBMWミニR50も、ワインディングの安定性は優れ、最高速も日本の場合アウトバーンの様に速度制限なしとはいかないが、ここだけの話しR50クーパーモデルでさえ、メーター上ではあるが200km/hを越える最高速が可能であり、その直進安定性や横風安定性などにまったく不安のない性能は、往時のゴルフGTIと比較しても勝とも劣らないものだろう。

⑥次の欠点でも幾つかウィークポイントを述べるが、外装でもR56のカウルルーバーなどは樹脂が経年劣化して軟質部がボロボロになり易いとかあるが、これも本家BMWにあるのと類似のものということがある。ただし、ボデー外装の塗装だが、BMWミニではソリッドカラーでもトップクリアコートされた2コートなのだが、このクリアーコートの痛んだ国産車を見ることは多いが、こと新車時の塗装のままのBMWミニで、クリアー禿げが生じているミニは20年を経たR50でも見ることは極少ない。この新車塗装の耐候性という面では、BMWミニは優れていると感じるところだ。

⑦どんなクルマも欠点はあるものだが、これはBMWミニの場合は特有というより、欧州車全般の特有の欠点と云えるカ所が該当すると思える。幾つか上げてみるが、内装の樹脂部品の塗装が経年するとべたついてくるとか、天井のハガレで垂れ下がる、ワイヤー式パワーウインドがワイヤーのバラケとかで動作が不能になる、ドアミラーのリトラクト機能が内部のクラッチ機能が滑って動作が不良となると云ったところが共通点ではないだろうか。
 しかし、この日本で輸入車で一番社外部品だとかアクセサリー類や中古部品として出回っているのがBMWミニではないだろうか。それだけ、過去に日本で販売されたBMWミニは多く、不具合カ所を必ずしも新品に替えなくても中古が揃うクルマがBMWミニだろうと思う。また、20年前の初代BMWミニR50でさえ、ほとんどの純正新品部品が現在でも入手できるし、ディスクパットとかクラッチディスクなどは、純正同等の社外品も揃うという輸入車は少ないと思える。つまり、自分でクルマを触れる方や、良い修理工場さえ見つけられれば、末永く乗り続けることができるのがBMWミニなのだ。

追記
 車両には日本語で云うとことの車台番号(もしくは車体番号)に相当するVIN(ビンと呼称:Vehicle Identification Number)という個別番号が打刻され、現在の多数のECUを使用した車両では、ある程度の主要なECUにもこの番号が記録されている。このECUのVIN記録は、例えば新品では無記録であるので現車と一致するコードを書き込み(コーディングと呼ぶ)する必用があるし、中古の場合はエンジンECUと不一致となるとVIN不一致となり、該当機能(ABSなど)の警告ランプが点灯したままとなり機能が働かない。

 なお、このVINは多くの車種において、その10桁目が年式を表示している。また、部品パーツリストからの検索とか発注する場合にVINが必要になるが、BMW系の場合、VINの下7桁が判れば、型式、年式、シリアル番号が判別でき部品の該当が判る。以下に、BMWミニの場合の、VINについて具体的な内容を示す。


#BMWミニ雑感 #長所と短所


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