過日の東京行きの野暮用(こういうと恩師には大変失礼ですが)の一つは、偉大な先輩であり我が恩師であり先生と慕う方へとの面談であったのです。
この先輩(同職としての)であり、我が恩師であり、先生なのですが、私の所属するアジャスター業界で約40年間を過ごされ、今やその年齢71才ともなるそうです。しかし、今回10年ぶりの再会でしたが、想像していた通り決して老いてはおらず、未だそのパッション(情熱)には些かも陰りは生じていない様にお見受けしました。
先生は、今回の私の解雇の知らせを聞き、直ちに憂慮のご連絡を下さいました。そんな、お付き合いをさせて戴く中で、今回の再開を迎えた訳です。その先生から見れば、過去に今回の私の様に解雇されるまでは行かずとも、何らかの理由で去っていった仲間を何名も見て来られた際のことを回想談としてお聞きし、それらの際に生じたある種の無念の思いが伝わって来ました。
さて、その先生ですが、まだまだ気力の衰えもなく、事故解析を中心とした活動をお続けなさることと思います。しかし、自研センターの設立以来35年間も続けて来られた講師としての活動を、本年限りとするかもしれないとのお話をお聞きしました。この話について、もしそうだとすると私には、極めて残念なことと感じざるを得ません。
私に、アジャスターとしての強烈なパンチを与えてくれた、その気骨、その情熱を、今正にアジャスターとしての価値観や存在意義すらが問われつつあるこの現在においては、特に強く思うのです。残り例え4年でも3年でも2年でも1年でもよいから、講師を続けて戴きたいと強く念ずるのです。そして、特に思うことは、保険会社における損害調査部門の最前線におけるリーダー(総合職およびアジャスター管理者達)に、影響を与え続けて欲しいと、私は勝手に思い込むのです。
今回の先生宅へのご訪問において先生から受けた言葉を一つ紹介します。これは私は野球というスポーツに余り思い入れはありませんが、野村克也監督の云われた言葉だそうですが、「組織はリーダーの力量以上には伸びない」というものです。この言葉は、ある意味先生が、現状のリーダー達の力量を嘆いた故のものであると理解していますが、私も正にその通りと思います。
野球には理解不足な私ですが、野村監督や広岡監督等は、正にリーダーとしての強い思いと能力が感じられる監督だと感じられます。しかし、こんなことを云うとファンの方に怒られそうですが、私は原監督に強いアクも感じられませんし、ただ上品なお坊ちゃまという印象位しか感じられません。現状のリーダー達のほとんどが、このタイプなのかもしれないなあとも思ってしまいます。
最後に、私自身の反省の念も込めて、人格者たる武人として尊敬する山本五十六元帥の残した語録の中で、リーダー論としての言葉を3つ紹介します。
- やってみせ、言って聞かせて、させて見せ、ほめてやらねば、人は動かじ
- 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
- やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず