世界的な経済危機を報じるニュースが続いています。その根幹としての金融関連企業のことが真っ先に懸念されている訳ですが、それは当然のことでしょう。でも、クルマ好きにとっては、クルマメーカーの動向を伝えるニュースにも感心を持って接しているところです。今回勃発した経済の危機的局面を去るだいぶ以前より、米国のビックスリーと云われるGM、フォード、クライスラーの凋落や不振ぶりは何度も報じられつつ懸念されて来ていました。しかし、ここに来ていよいよ待ったなしの状況になった様です。曰く、GMがクライスラーを買収するとか、フォードが虎の子とも云われるマツダ株を手放すとかの報道です。想像するに、AIGと同じくGMは巨大すぎて、米国政府として倒産させる訳にも行かないでしょうし、それに比べれば小さいフォードは、例え身を切ってでも自ら延命への活路を開かねばならないのだろう等と云うことかもしれません。
米国のビックスリーの凋落が見立ち始めたのも、遙か数十年以前も以前からのことでした。何れにしても、これだけ市場がシュリンクして行く中では、かつての日産と同様に、縮小均衡への体制を早急に取り切れなければ、組織は持たないのは自明のことでしょう。しかし、日産の危機の時も感じましたが、延々と市場に受け入れられないクルマを造り続け、凋落し自滅して行こうとするこれら大企業には、組織内に軌道修正が簡単にはできない何らかの要因があるのでしょう。まあ、これは究極の組織としての国家でも同様のことなのでしょう。
巷云われる様に、組織は必ず腐蝕するものだと云うことでしょう。組織体はその存在自体を最大の目的とせざるを得ないのはある意味で宿命でもありますが、そのことよりも、その組織体における既得権益者の利益を優先する様になったら終末を迎えざるを得ないのだと感じます。過去から偉人達が何度も伝えている如く、組織は常に時代に合致して刷新されて行かなければならないということですが、これがなんと難しいことなのかと、つくづく思わざるを得ません。