この週末に、富士スピードウェイにて日本F1グランプリが開催されます。昨年の同レースでは、大会運営の不手際もあり悪評紛々だった訳です。しかし、それは別にしても昨今の日本でのF1グランプリ自体の人気が、往年の人気に陰りが生じて来たと感じるのは私だけではないと思います。
この理由は種々あるのでしょうが、日本メーカーの活躍が見られなくなってしまったことも、一つと思います。かつてのホンダF1の連勝と同車をドライブしたアイルトン・セナの人気が、日本でのF1人気の盛り上がりの大きな要因であったことは間違いないことでしょう。
今週末の富士でも、ホンダもトヨタも、大した成績は期待はできないと感じています。なんで、かつて興世を誇ったホンダを含めて日本メーカーが活躍できないのだろうと云うことですが、我が国の得意なエンジンでの優位性が低下してしまったことが一番の理由だと感じています。現在のF1マシーンのエンジン・レギュレーション(規定)では、排気量2.4リッターまで、90度V8シリンダー、最大回転数19千回転まで、各メーカー共通ECU、ターボ加給不可等々、がんじがらめで独自性の発揮しようがないとも感じられるものです。そんなレギュレーションとなってしまった理由として、開発費の著しい増大を防ぐためとか、ドライバーオリエンテッドにするためとか云われている様です。現在のF1マシーンの戦闘力を作用する要素として、エンジンは1~2割程度しか占めておらず、空力性能等が大きなウェイトを占めるとのことの様です。しかし、私の独断かもしれませんが、F1に限らずですが、クルマの魅力の作用する要素は種々ありますが、その中でもエンジンはもっとも大きいとも感じています。そんなことを思うと、現行のF1レギュレーションには違和感を感じざるを得ません。
※写真は1965年(昭和40年)に、当時の メキシコグランプリで初優勝したマシーン(RA272)のコックピット部です。当時のF1は排気量1.5リッター規定でしたが、ホンダは得意のマルチシリンダーでV12を横置きミッド搭載というオリジナルな形態のマシーンで参加したのでした。タコメーターのレッドラインを見ますと9,500rpm程度の様ですから、現在から見れば全然大したことはありません。しかし、40数年前としては、最大馬力を発揮していたと、当時の監督である中村氏が記しておられました。