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【映画評】赤ひげ

2020-08-18 | 論評、書評、映画評など
 このところ、故)黒澤明監督作品の映画を集中的に見ている。どれも、大昔TV放送で見た微かな記憶があるが、改めて集中力を込めて眺めている。今回は「赤ひげ」という作品を見た。

 この映画は、原作は山本周五郎さんの「赤ひげ診療譚(しんりょうたん)」だが、だいぶ昔に読んだ筋を思い出しつつの視聴だ。原作は、周五郎作品で、どれも秀作と思えるが、これも味わい深い作品だ。(下記記事参照)

 ところで、原作小説とそれの映像化だが、多くの場合でこんな顔じゃないとか、こんな薄っペらじゃないという様な違和感を感じる。原作が秀作であればあるほど、読み手の頭の中で映像化されるイメージと、映画化されたリアルイメージとの乖離は止むないのだろう。それは、映画監督の力量、こだわり、思考、制作予算などから生じて来るのだろう。

 その点で、この映画「赤ひげ」は、古い映画だから、モノクロ作品であるし、画質や音質、エフェクト処理も現代技術と比べれば見劣りするのに、違和感を一切感じず乾いた私の目を濡らすまでする情感を呼び起こすとは、近年の映画作品にないものだ。やはり、黒澤明さんは偉大な映画監督だと唸るしかない。


赤ひげ診療譚を読んで 2012-03-23
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/340093805e371ebd52ebd9e358223979

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