正月明けで挨拶回りをしている中、数年ぶりに建設機械整備業の経営者の方とお会いする機会を得ました。10年前位までは、クレーン車のブームを過加重により曲損させる様な事故も結構あり、お世話になる機会も結構にありました。しかし、現在の様な低成長時代に至っては、箱物行政も少なくなりつつ、クレーン製造メーカーも厳しいし、その整備業も結構に厳しさを増していることが感じられます。そんな中ですが、久しぶりにお会いした経営者の方は、第一線は退かれたというものの、まだまだ新たな経営への模索も思案されておられる様でした。
ところで雑談の中、この経営者の方が趣味のクルマとして、マセラティ・クアトロポルテを持っているとのことをお聞きしました。ガンディーニの作だと聞きましたので、4代目モデル(1994-2000)なのだと思います。そんなことを含め、今回は華麗なるクルマのカーデザイナー達のこととして記してみたいと思います。なお、本ブログの昨年12月23日付コラムにて「偉大なカーデザイナー」(設計者)として記しておりますが、今回は外観意匠(スタイリング)のデザイナーとして記してみたいと思います。
カーデザインとしてのボデースタイリングは、間違いなくそのクルマの評価を大きく決定する要素であり、各メーカーでのデザイン部門は極めて重要な部門の一つであるはずです。しかし、カーデザイナー(モデラー)の個人名としては、現在の日本のクルマ達では、あまり表出する機会は少ないものです。これは、多数のデザイナー達の競作や評価の中で、そのデザインが決定される等の理由によるのであろうと想像します。しかし、世界のクルマ達の中では、著名なカーデザイナーや著名なデザインスタジオの作品として評価されるクルマが多くあります。その様なクルマ達は、いわゆるスーパーカーと云われるクルマが多くを占めるのですが、スーパーカーでない一般のクルマの中にも著名なデザイナー達の作品があります。
1.デザインスタジオ達
伊国を中心としたカロッツリア(carrozzeria)や英国等のコーチビルダー(Coachbuilder)として、有名所では以下の様なメーカーがあります。なお、コーチビルダーというのは、元々馬車を造っていたものであり、馬車のシャシーに車体を架装する(これをコーチワークと呼びます)業者が発祥です。
①ピニンファリーナ(Pininfarina)
伊国最大のカロッツリアであり、フェラーリ社の多くのデザインを手掛けているメーカーです。外観デザインだけでなく、エンジニアリングデザインおよび生産をも手掛けるメーカーです。
②ベルトーネ(Bertone)
伊国の著名なカロッツリアであり、上記ピニン社と同様に生産をも手掛けるメーカーです。同社出身のデザイナーとして、ジウジアーロ(Giorgetto)やガンディーニ(Gandini)等の現在独立したデザインスタジオを経営している方々を輩出しています。
③イタルデザイン(Italdesign)
上記のジウジアーロ(Giugiaro)が創立した伊国のデザインスタジオです。
④ザガート(zagato)
伊国のカロッツリアであるが、最近はクルマというより、種々の工業製品(インダストリアルデザイン)を中心に活動している様です。
⑤ストゥディオ・エンメ
比較的新しい日本のデザインスタジオ(静岡県所在)です。伊国のカロッツリアで修行を積んだ、牧清和氏という方が創業者です。作品としてはあまり公には公表はされていません。知られているのは、ダイハツ・ネイキッドは同社の作品の様です。
2.デザイナー(個人)達
①マルチェロ・ガンディーニ(Marcello Gandini)
ベルトーネの元チーフデザイナーであり、ランボルギーニ社の多くのクルマ達(ミウラやカウンタック等々)等を手掛けています。
②ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro)
イタルデザインの創業者です。日本のいすゞ117クーペや初代トヨタアリストのデザインが有名です。クルマ以外にも多数のインダストリアルデザインを手掛け、ニコンの高級一眼レフシリーズ(F3~F6)のデザインも同氏作の様です。
③奥山 清行
伊国ピニン社のデザインチーフディレクターを経て、現在独立している山形県出身の方です。フェラーリ・エンツェオやフェラーリ599や612スカリエッティ等、最新型フェラーリのデザイナーです。クルマ以外のインダストリアルデザインも、多く手掛けておられる様です。
※世の中には、まだまだ多くの秀麗・華麗なデザイナー達がおられることと思います。