クルマの販売が世界的に不調に陥っています。我が国でも同様で、ちょっと前に北陸の日産ディーラーが倒産したことが報じられたりしました。また、それ以前にも、ホンダ系販売店で、店舗名称が「ホンダカース◎◎」に統一された頃から、自主廃業をするホンダ系販売店が目に付き始めていました。さらに、ここに来て、私の近くの複数のディーラーでも、不採算店舗の閉鎖が見られる様になっています。
これらクルマ販売の不調ですが、輸入車等の高級車程に、その程度が顕著な様に感じられます。そもそも高級車(高額車)は、その高級感というブランド価値を嗜好するユーザーに、同等車よりも高額な価格であることを受け入れて支持されているのです。しかし、先行きの見えない世界的な不況の中では、その購買意欲は低調とならざるを得ないのでしょう。
ところで、鳴り物入りで国内投入されたレクサス店ですが、フラッグシップ車となるLSの投入後も、大して業績は好転していない様です。次年早々に、ハリヤー改めRXを投入する様ですが、きっとトヨペット店での販売実績よりも低下してしまうのだと思います。
これは前にも記したことですが、幾らレクサスがアメリカで大成功したからといって、その販売手法が我が国にマッチしないのは明らかなものです。幾ら、立派な店舗にしたり、接客対応に留意したりしても、販売するクルマの実質は従来車と大差はなく、これにプレミアム性を感じさせようというのは、どだい無理な話です。それと、余りにも店舗の雰囲気が高級過ぎ、庶民を斥けるものもあるのだろうと感じます。また、それなりの金持ちは店にクルマを購入しに行きやしません。同一ヒエラルキー同士の横の付き合いの中で、その車種選定は行われることが多いのだと聞きます。
何れにしても、当面のクルマの販売は相当に厳しいものでしょうし、輸入車等の高級車はさらに厳しいものとなるのでしょう。しかし、需要は落ちたといってもゼロになる訳でもないですし、欲しいというユーザーニーズが消え失せた訳でもないと思います。なお、この様な新車販売の不況は、中古車販売においても同様の傾向となるのでしょうが、高額車程に価格相場が下がる余地が高いと想像します。私の様に、中古車主体で代替えを行うユーザーには、良い出物を見つけるチャンスかもしれません。