私の思いと技術的覚え書き

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評価損害の考察 その1

2021-02-05 | 問題提起
 今回は対物賠償事故で、必ずしも多くはないが、評価損害が問題にされる案件について種々考察してみたい。

1.そもそも評価損害(評価損)とは何か
 交通事故などで他人の車両が損壊させた場合、その損害修理費が時価額(同種同程度の一般的販売価格)を明らかに超える場合は、全損として、時価額を弁済することが相当となることが、また修理費が時価額に達しない分損の場合は、事故前の現状に復帰する費用を賠償することが、民法709条だとか様々な判例によって確率された考え方となっている。この民法709条の不法行為による損害賠償について、故意を除外して偶然外来の事故を担保して、被保険者に代わって損害賠償金を負担するのがいわゆる自動車対物賠償保険ということになる。

 この場合、修理費(直接損害と呼ばれる)以外に、間接損害に区分される損害として、妥当性があればの話だが、修理期間中の代車費用(レンタカーなど)とか、営業車などであれば代車は営業登録の関係で利用できないので、休車費用が認められる場合がある。また、主に損害賠償の訴訟の中には、修理して現状に復しても、いわゆる事故車(もしくは修復歴車となることだとか、事故の修復において生じた損害が発見されぬまま内在している場合もあり得るとして、事故がない場合の時価額より低い値にならざるを得ないことや、内在するかもしれない不安を我慢して乗り続ける(人身賠償における慰謝料に近い考え方ともいえる)などの理由を根拠に評価損が要求される場合がある。

 なお、自動車保険には、自らの車両を復元修理するための自動車車両保険という種別があるが、この車両保険では、あくまでも修理費もしくは特約によるが代車費用のみを認めるということを約款で規定しており、評価損害は除外されるので争いになることはない。

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