私の思いと技術的覚え書き

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自動運転車普及への囲い込み戦略

2017-08-07 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今日のニュースでトヨタとマツダが資本提携に合意との記述を見た。同提携は数%のものであり、相互に株式を持ち合うものであり、支配的関係を生み出すものではないだろう。トヨタは既に、日野、ダイハツ、富士重工を系列傘下に収め、完全に支配下におさめている。そして、ちょっと以前の報道でスズキとの提携が発表されており、今回のマツダが加わる訳だ。

 ところで、クルマは最終的な車体の組み立ては、メーカーの工場が行い出荷されるが、そこに集積される様々な部品(内板プレス部品、トランスミッション、サスペンション、ブレーキ、内装、ワイヤリングハーネスや電装部品等々)は、系列傘下のサプライヤーから供給を受けている。このサプライヤーが抜群に優秀なのもトヨタの強みだろう。いわゆる、デンソー、アイシン、トヨタ合成、富士通テンなどとなる。

 ところで今回のマツダの提携が、富士重との共同開発車である86など個別車両の開発を狙ったものではないと思える。近い将来自動運転車やASVというものは、今その黎明期として販売は始まり立ち上がり掛けたところだ。自動運転車にはレベル0~5までがあり、特定状況下(高速道路など)で一切の運転者の関与を不要としたのがレベル4で、すべての状況下でドライバーの関与不要(もしくは無人運転)を行うのがレベル5だそうだが、レベルが上がるに従って、装備するセンサーや制御ユニットとしてのハードウェア高度化が求められるのだろう。それと同時に、高度なソフトウェアの完成度の高さも求められるのだろう。

 この点で、世界中で高度な地図データや周辺環境データを集積したGoogleなどは独自の自動運転車を開発中とも伝わる。レベル4以上の自動運転車が急激に普及し、場合によればこれでなければ走行が不可能な時代が到来したとき(嫌な時代だが)、現在のトヨタNo1もしくはNo2という既存カーメーカーの勢力図は大幅に変わってしまう事態もあり得るのだろう。
 そんな未来を見据え、ブラックボックス化せざるを得ない自動運転車の標準システム(デファクトスタンダード)を確立し生き残ろう。そのための、スズキやマツダとの提携なのだろう。

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