私の思いと技術的覚え書き

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事故車見積論(その2)

2011-02-17 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今回は、事故車の見積書項目の記載順序について記してみます。
 見積順序は、入力部位から入力方向に沿って、前部から後部へ、後部から前部へ、外板から内板へなどの基本的な考え方があろうかと思います。
 また、見積項目を大きく区分して、①ボデー、②艤装(ガラス、インパネ、シート、内装品など)、④メカニカル、⑤シャシフレーム(ある場合)、⑥塗装という大区分に分けて記載することで整理し易いと云われています。
 さらに、計上する作業項目もしくは部品が、主体作業になるのか(工賃計上を生じる)、または付帯作業(工賃は主体に含まれるため計上しない)を十分意識して行うことが必用でしょう。
 以上の様な観点から見積書を作成することは、読み取り易く、相手方に納得・理解され易い見積書を作成するためと、作業や部品の脱漏や二重計上を防止への配慮であったと思います。
 現在の様に、コンピューターによる見積が普及する以前は、すべてノンカーボン用紙による手書き見積書だった訳ですが、先の様な見積順序を意識しながら、見積書の作成を行って来たのでした。しかし、コンピューター見積の普及と共に、見積順序に対する意識は希薄化してしまった様に感じられます。
 事故車見積システムとして最大シェアを誇る(らしい)、A社の見積書のことを記してみます。このA社見積システムで、特に車両後部や側面の見積を行ってみれば判ることですが、主体作業を付帯作業の関係はぐちゃぐちゃで、主体作業となるべき作業でも工賃は計上されないなど、酷い見積書が出来てくるんですね。
 ここで、見積担当者が、先に記した見積順序の観点で頭の中で整理し、見積システムの編集機能を利用し、適宜行の移動や新たに手動での作業項目の挿入などを行います。さらに自動計上の工賃についても、実情に応じて再設定を行います。これにより、手書き見積時代に近い見積書となるばかりでなく、作成した見積書のチェックも行えることになります。しかし、実情はA社見積をプリントアウトしてチラと見て「まあ、こんなもんか!」みたいな感じで、相手先に提示している者が多いのじゃないでしょうか。
 先に記した見積順序で思考してみることは、車両の入庫工場などの見積書をチェックする際にも有効なことだと思います。脱漏作業など直ぐ判り、フロントマン(今はアドバイザーですか)に、「これでいいの? 抜けてるぜ!」とからかうのも偶には良いんじゃないでしょうか。
 ところで、アジャスターの資格試験は筆記と見積に別れますが、この見積試験はまったく下らない試験で、私にはこれで見積技量を測っているとは到底思えないものです。しかし、資格は資格、試験は試験であって、制度化なされている以上、最高峰を目指すのは当然のことです。
 この見積試験ですが、題材としての見積書中に含まれた、脱漏部品、脱漏作業、不要部品、不要作業などを発見し解答するものです。これに対処するには、該当車の構成部品正式名称を十分記憶した上で、先に記した見積順序に沿って添削してみるだけの単純ゲームです。


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1 コメント

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このサイトは新しい情報を提供していますね。 (中古車買取)
2012-06-16 13:30:39
このサイトは新しい情報を提供していますね。
また読みます。
ありがとうございました。
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