私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

池波正太郎と料理描写

2022-12-28 | コラム
池波正太郎と料理描写
 小説も含め本はよく読む方だと自覚する。そんな自分にとって、出版不況と云われる現象は、大げさだが我が国の将来を危うくするのかもしれないと感じるところもある。

 しかし、特定分野の専門書となると結構高額だし、どれを見たら適当かの見極めが難しいから、図書館を利用する機会は比較的多い。この10数年を月数回は訪れるのだが、そこで見知った人物に会ったことは皆無だ。そう云った意味で本を読む方は少ないのだと思うところだ。図書館を訪れる前、予めネットで関係するジャンルや著者を検索しターゲット本を定めて訪問するのだが、新刊本とか話題の本など、貸し出し中で借りることができない。そういう点では、読む方は読んでいるのだと認識する。

 図書館を利用する良い点として一点補足する。予めターゲットを定めて、狙いの書棚を探すのだが、そこには類似のテーマでもっと面白そうな本に巡り合えるということを何度も経験している。そういう場合は、両方借りて来ることになる。

 その様な愛読小説だが一度読めば、再読するのは一般に希だが例外がある。池波正太郎氏の「鬼平犯科帳」、「剣客商売」、「仕掛け人藤枝梅安」の3シリーズだけは、今まで何度読み返したか数知れない。このことは、各書の巻末にある解説で、種々の解説者が同様のことを記している。ストーリーが面白いとか、文章が読みやすいとか理由があるのかもしれないが、そんな単純なものではないと感じている。これら3シリーズは、いうなればリーダーとはかくあるべしということを論じていて、そこに惹かれるのだろうと感じているのだ。つまり、落ち込んだとき、この諸作品を読み直すことにより勇気付けられる様にも感じている。

 さて、そんな池波作品の一つの魅力に、料理の簡単な調理法を含めた食い物の話しが結構出て来ることがある。これは、池波氏の教養を知る一つでもあるが、料理や映画のことを中心に記した、エッセイ集とい形態での本が幾らかあることでも知れる。今回読んだのは、「味と映画の歳時記」という表題だが、これを見て最近食べていない「焼き茄子」の生姜和えを食べたくなった次第なのだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。