過去に何度か記してきた問題ですが、総集編として記してみます。これは、R56系の前期型で多発している問題であり、クーパーSのみ、メーカーサービスキャンペーンとして対応しているが、ターボなしモデルでも多く見られる現状と判断しています。
この様な問題は、過去のタイミングベルト方式でも、当初冷間時に急加速して生じるとかあった記憶があります。しかし、チェーンで張り不良によるガラ音は判りますが、それが高じてスプロケットとチェーンのコマズレまでを起こすというもので、やっかいな現象です。現象は、スロットルONからOFFした際、被駆動側(テンショナーのある側)のチェーンが緩みすぎてスプロケットを乗り越えてしまうという現象が生じるのです。これによりバルブタイミングは大きくズレますが、その程度によりエンジンはなんとか始動するが低速が安定しないとか、重度なものはエンジン始動ができなくなります。
また、チェーンとスプロケットとのコマズレを生じる段階で、外れかけたチェーンがガイドに当たり割損してしまうことや、スプロケットやチェーンローラー部にキスを生じさせている場合があります。
なお、類似の現象がBMWの4気筒系エンジンでも報告されている様です。これらの現象は、チェーンを張るテンショナーの初期余圧(内臓のプランジャスプリング)の加圧力の低さにあるのでしょう。代替品番となった新部品と旧品では、指感でスプリング力がまるで違います。
今まで類似のトラブルを10例ぐらい見て来ましたが、バルブとヘッドのクラッシュまでが生じているクルマはありませんでした、どんな時でも絶対当たらない設計がなされているのかまでは知りませんが、ピストンヘッドのリセスも深く、バルブクラッシュが生じることは少ない様に見受けています。
さて、バルブタイミングの点検ですが、No1シリンダー圧縮上死点で行うのが従来のセオリーでしたが、このクルマ(BMW)は異なります。1番から4番までのシリンダーが水平位置(TDCから90°ズレた位置)において、クランク後部のサービスホールにクランクロックピンを挿入することで行います。具体的は、1、2番シリンダーに同一長の割り箸を入れておき、頭が揃う位置とし、そこからゆっくり前後回転させてクランクロックピンを勘合させます。なお、4サイクルですから2回転に一度の燃焼ですが、IN,EXのカムシャフト軸上のメーカー記号の打刻がエンジン上方にあるか確認します。ない場合は、クランクロックを外しクランクを360°廻して、カムシャフト上の打刻文字を上にします。
正規は、先の作業を行い、IN.EX各カムシャフト後部の二面幅がエンジンブロック垂直であればOKな訳です。バルタイの狂ったクルマは、正規の位置を0°として。-30°以上も狂っていることも珍しくありません。IN、EX共狂いが生じているクルマもありますが、どちらかと言えばIN側の狂いが大きめの場合が多いでしょう。
このエンジンはエンジン上部から、クランクスプロッケットや樹脂製のチェーンガイド、テンショナなどすべて取替が行えます。スプロッケット固定ボルトを弛め、カム後部の二面幅27mmのナット部を廻し、正規の位置にカムタイミング合わせます。テンショナは当然正規の取り付け状態とします。
その他
このクルマ(に限らず)、クランクスプロッケットや各カムのスプロッケットはキー勘合なく、ボルトによる締め付け力だけで、位置を固定されています。ですから。各セットボルトをインパクトで弛めた瞬間、幾らかはバルブタイミングはズレが生じることでしょう。クランクロックのセット後、各ボルトの弛めと確実な締め付けを行って下さい。
このバルブタイミングズレは、オイルの管理不足によるスラッジの有無にはあまり関係がないと思えます。一方BMW4気筒系で、類似のタイミングチェーンのコマズレもありますが、VANOSの流路詰まりによるバルブタイミングの狂いがあります。これはオイル管理不足で、スラッジが多いエンジンでは要注意な現象でしょう。
この様な問題は、過去のタイミングベルト方式でも、当初冷間時に急加速して生じるとかあった記憶があります。しかし、チェーンで張り不良によるガラ音は判りますが、それが高じてスプロケットとチェーンのコマズレまでを起こすというもので、やっかいな現象です。現象は、スロットルONからOFFした際、被駆動側(テンショナーのある側)のチェーンが緩みすぎてスプロケットを乗り越えてしまうという現象が生じるのです。これによりバルブタイミングは大きくズレますが、その程度によりエンジンはなんとか始動するが低速が安定しないとか、重度なものはエンジン始動ができなくなります。
また、チェーンとスプロケットとのコマズレを生じる段階で、外れかけたチェーンがガイドに当たり割損してしまうことや、スプロケットやチェーンローラー部にキスを生じさせている場合があります。
なお、類似の現象がBMWの4気筒系エンジンでも報告されている様です。これらの現象は、チェーンを張るテンショナーの初期余圧(内臓のプランジャスプリング)の加圧力の低さにあるのでしょう。代替品番となった新部品と旧品では、指感でスプリング力がまるで違います。
今まで類似のトラブルを10例ぐらい見て来ましたが、バルブとヘッドのクラッシュまでが生じているクルマはありませんでした、どんな時でも絶対当たらない設計がなされているのかまでは知りませんが、ピストンヘッドのリセスも深く、バルブクラッシュが生じることは少ない様に見受けています。
さて、バルブタイミングの点検ですが、No1シリンダー圧縮上死点で行うのが従来のセオリーでしたが、このクルマ(BMW)は異なります。1番から4番までのシリンダーが水平位置(TDCから90°ズレた位置)において、クランク後部のサービスホールにクランクロックピンを挿入することで行います。具体的は、1、2番シリンダーに同一長の割り箸を入れておき、頭が揃う位置とし、そこからゆっくり前後回転させてクランクロックピンを勘合させます。なお、4サイクルですから2回転に一度の燃焼ですが、IN,EXのカムシャフト軸上のメーカー記号の打刻がエンジン上方にあるか確認します。ない場合は、クランクロックを外しクランクを360°廻して、カムシャフト上の打刻文字を上にします。
正規は、先の作業を行い、IN.EX各カムシャフト後部の二面幅がエンジンブロック垂直であればOKな訳です。バルタイの狂ったクルマは、正規の位置を0°として。-30°以上も狂っていることも珍しくありません。IN、EX共狂いが生じているクルマもありますが、どちらかと言えばIN側の狂いが大きめの場合が多いでしょう。
このエンジンはエンジン上部から、クランクスプロッケットや樹脂製のチェーンガイド、テンショナなどすべて取替が行えます。スプロッケット固定ボルトを弛め、カム後部の二面幅27mmのナット部を廻し、正規の位置にカムタイミング合わせます。テンショナは当然正規の取り付け状態とします。
その他
このクルマ(に限らず)、クランクスプロッケットや各カムのスプロッケットはキー勘合なく、ボルトによる締め付け力だけで、位置を固定されています。ですから。各セットボルトをインパクトで弛めた瞬間、幾らかはバルブタイミングはズレが生じることでしょう。クランクロックのセット後、各ボルトの弛めと確実な締め付けを行って下さい。
このバルブタイミングズレは、オイルの管理不足によるスラッジの有無にはあまり関係がないと思えます。一方BMW4気筒系で、類似のタイミングチェーンのコマズレもありますが、VANOSの流路詰まりによるバルブタイミングの狂いがあります。これはオイル管理不足で、スラッジが多いエンジンでは要注意な現象でしょう。