私の思いと技術的覚え書き

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米国ビックスリーの危機論議に思う

2008-12-13 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 ビックスリーの帰趨を巡っては、末期的状況に至っても未だ資金投入の是非を巡って混乱している様です。こんな政治の姿は、我が国で過去から良く見られたものでしたが、グローバル(アメリカン)スタンダードとしての資本主義を標榜する米国も、結局は我が国と対して変わりはしない政治家達が多いのだと改めて感じます。

 確かにビックスリーを倒産させれば、大量の失業者が生まれ大混乱となるのでしょう。でも、幾ら資本注入しても、抜本的な企業改革は行われず、僅かな延命がなされるだけに過ぎないのは誰の目にも見えたことです。

 前にも記したことですが、1970年代の石油ショック以来、小手先の対策だけで経過し続け、大型、大排気量で、重く燃費の悪い安直なクルマばかりを作り続けて来れば、日本を始め他国メーカーに浸食され続けるに決まっています。近年は、米国経済が好調だったせいもあり、昔ながらのフレーム付きの、大排気量V8エンジン搭載の、ピックアップトラック(GMのシルバラードやフォードのFシリーズ)と、その上屋だけを替えた、SUVやバンばかりが売れていた様で、その1台当たりの高い付加価値で経営を成り立たせていた様です。

 こんなビックスリーは、延命させるだけ無駄なことであって、資本注入は解雇者への対策に使えば良いのであろうと思います。しかし、米国には幾ら不況で落ちたとは云え巨大なクルマの消費市場があります。ですから、倒産後は、日本を始め欧州諸国から、その資産を買い取り、有効活用する企業は間違いなく現れ、新たな雇用が生まれることでしょう。そして、これによって、米国車の平均燃費は改善し、米国の石油依存度は下がり、CO2も削減され世界の人々に利益を生みだすのだろうと思います。




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