私の思いと技術的覚え書き

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メッキについて

2019-04-18 | 技術系情報
 この都度、古いクルマのフォグランプリフレクター(反射鏡)が鏡面劣化して地金が露出してしまい反射効果がなくなったのを再メッキにて修理する機会があったので記して見ます。

 そもそもメッキとは Wikipedia でメッキを引くと、本来外来語の様に感じますが、次の様に解説しています。「外来語のように受け取られることもあるが、和製漢語とされる滅金(めっきん)に由来する語である。鍍金(ときん)ともいう」

 そして、wiki では、メッキの種類としては、以下の様な種類と特徴があることが気されています。①電解メッキ(電気メッキ)、②非電解メッキ、③溶融めっき、④真空メッキ(真空蒸着やスパッタリングなど)が記されています。

 なお、メッキと同様に母材表面に異種金属膜を形成する方法は、wiki 冒頭でも触れているクラッドというものがある様です。例えば羽田空港は近年、新滑走路を作り拡大した訳ですが、この滑走路は海中下の岩盤に達する多数の鋼管パイルを打ち込んで土台を作っています。しかし、単なる鋼管に塗装程度だと、とても長期間の浸食に耐えられない訳です。そこで、鋼管の表面に薄いチタン膜を極めて高い加圧力で圧着したクラッド材をのパイルを使用していると聞いています。

 また、wiki では触れていませんが、メッキと似たようなものとして溶射という工法があります。これは、溶射物を半溶融状態としたものを被塗物に吹き付けて被膜を形成するものです。昨今の様々な建築物や公共物には亜鉛溶射された製品が多く見られるようになりました。そして、もう一つがいわゆる銀鏡塗装のたぐいでしょうが、近年非常に拡大している工法の一つだと思います。

 ところで、趣味趣向的な話しとして若干脱線しますが、ささやかながらクルマ通を自覚する私的には、内外装にやたら多くのメッキ(もしくは#800ステン材など)パーツを多用すると、クルマが下品になると思っています。メッキが過剰にならないことが、デザインのキモだと思うのですが、トラック屋さんだとか、昨今の1BOXカーは正に反対の嗜好になっていることは何故なのでしょう。

 やっと本論に戻します。ダメになったフォグランプリフレクターですが電気クロムメッキで仕上げられている様です。私の住まい地近くにも昔に比べれば少なくなったとはいうものの、こういう一品物の補修を引き受けてくれるところはありませんでした。それでも、知り合いのレストレーションも手掛ける板金屋さん情報で業社を見つけ補修が出来ました。

【写真説明】
1および2 フォグランプリフレクター等
 これは金属製ですが現代車はほとんど樹脂製になっています。2枚目の左側が再メッキしたもの。色味が若干黒っぽく見えますが、クロム層の厚さが異なるのか?
3 ついでにプロジェクター式HID(キセノン)ユニット
 Hi・Lo切り替え式のものです。ハロゲン式までは、レンズやリフレクターは樹脂ですが、HIDでは、レンズ部はガラス、リフレクター部は金属(亜鉛)にクロムメッキとなっています。光軸切り替えはシャッターをソレノイドで開閉して行っています。これなら、レンズの集光効果で漏れ光が少なく、明確なカットラインが出来る訳です。

余談
 メッキが、かなり昔から滅金や鍍金と呼ばれた話しを聞くと、奈良の大仏のことを思い浮かべます。今では奈良の大仏表面の金メッキはほとんど剥がれ落ちていますが、かつての創建時は黄金に輝いていたのでしょう。このメッキ処理の工法のことです。それは、水銀に金を近づけると吸い込まれて水銀アマルガムという状態になるそうです。水銀は常温で高粘度流体ですから、これを大仏表面に塗りつけます。そして松明(たいまつ)の火(400℃)で過熱してやると、水銀は350℃程で蒸発しますから、金だけが大仏表面に残るという訳なのです。だだし、広大とは云え大仏殿という屋内で、多人数の職人たちがこれをやる訳ですが、水銀蒸気による病人が多発しただろうという悲しい話しです。




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