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損保大手4社が大手私鉄グループ間でカルテル疑義

2023-06-21 | コラム
損保大手4社が大手私鉄グループ間でカルテル疑義
 このところビッグモータ事件など、社会的公共性を求められる損保の業務運営に疑問を持つ事件が報道されているところだが、昨日(6/19)の報で、また異なる疑惑が報じられている。これは、大手4社(東海日動、損保ジャパン、三井住友、あいおいニッセイ同和)が、大手の私鉄企業との保険契約での保険契約にカルテル(密約し価格を操作する独占禁止法行為)していた疑惑を伝えているものだ。

 なお、記事によれば、日本で損害保険を販売する企業は、結構多くあるが、この大手4社で9割超のシェアを持つ寡占状態にあるということが記されている。確かに、現在の大手4社は金融ビッグバン以前には、もっと多くの保険会社に別れていたのだが、今やそこまで寡占化してしまっていたのかと驚く記述だ。

 しかし、損害保険とは、世の様々なリスクを引き受けることにより、利益を上げる営利法人であるのは間違いないが、社会的公益性を持つ企業であり、世の信頼を裏切らないことが運営の大前提となるのは間違いないことだと思える。ビッグモーター事件も含め、今回のカルテル疑惑も、速やかに究明され、信頼回復が行われることを願いたい。

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東京海上日動など大手損保4社が、大手私鉄グループとの保険取引でカルテルの疑い
東洋経済オンライン 6/19(月) 15:02配信
 東京海上日動火災保険など大手損害保険各社が、大手私鉄グループ企業との共同保険取引で、独占禁止法違反となる「カルテル」を結んでいる疑いがあることが分かった。
 損保の経営を監督する金融庁は、6月に入り、保険業法に基づく報告徴求命令を各社に出しており、今後、取引の実態解明を進める方針だ。

■東京海上が主導して、保険料の水準を設定か
 報告命令を受けたのは、東京海上のほか損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手4社。
 複数の関係者によると、東京海上が主導する形で、各社が連絡を取り合いながら、火災保険などの保険料を同じような水準に設定し、大手私鉄グループに提示していたようだ。
 同契約はボリュームが大きく、1社単独で引き受けるのはリスクが高いため、各社が契約を分担して引き受ける共同保険方式を採っている。本来であれば、損保側は少しでも契約シェアを高めようと、保険料の値下げ競争などを仕掛けるはずだ。
 ところが、問題となっている大手私鉄グループのケースでは、契約シェアの大きい東京海上を中心に、値下げ競争に陥ることを回避しようという動きが広がり、カルテルにつながっていったとみられる。
 そもそも損保業界は、大手4社が正味収入保険料で9割超のシェアを持つ寡占状態にある。
 また、中小損保では大企業との取引のリスクを抱えきれないことが多いため、大手損保4社が契約を引き受けざるを得ない面もある。

■独禁法違反の「優越的地位の濫用」に当たる可能性も
 その実情を逆手に取り、さらに裏で価格カルテルも結びながら、「これより安い保険料では、契約の引き受け手がいない」といった契約交渉をしていたのであれば、独占禁止法違反となる「優越的地位の濫用」に当たる可能性もある。
 金融庁はそうした観点も含め、問題となった大手私鉄グループとの取引以外にも疑義のある事案がほかにないか、徹底した調査を大手4社に求めている。
 損保のカルテルをめぐっては、1994年に公正取引委員会から警告を受けた過去がある。
 損保の業界団体が、自動車の整備業者に支払う修理費の「標準対応単価」を設定し、各社がそれをほぼ一律で適用していた。その業界慣行が、独占禁止法の禁じるカルテルの疑いがあるとして警告を受けたのだ。
 今後の調査で、カルテルや優越的地位濫用の疑いがある事例が相次いで見つかるようなことになれば、金融庁だけでなく公取委も乗り出し、大手損保の構造的な業界慣行の「闇」にメスが入ることになるかもしれない。


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