私の思いと技術的覚え書き

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2023年自動車業界の動向

2023-01-01 | 技術系情報
2023年自動車業界の動向
 2023年と云うか、既に昨年以前から、自動車製造とか販売で、新たな動きというか潮流と云うべき動向が幾つか見られるが、ここでは3つのことを記してみたい。

1.韓国ヒョンデ(旧ヒュンダイ)の日本再上陸
 昨年中旬から、韓国ヒョンデが日本での販売を再開していると云うことだ。このヒョンデだが、10年以上前、日本上陸を果たしたが、さっぱり売れず撤退した歴史を持つ。今回の再上陸前、ヒョンデの日本販売は、大型観光バス(ユニバーズ)のみ、ある程度のシェアを得たというところがある。

 ところが、ヒョンデの現在の実績だが、米国の販売実績は下記表となるが、ヒョンデ(現代自動車)とキア(起亜自動車)は親子会社で、トヨタとレクサスとか、VWとアウディという様な関係だが、ヒョンデとキアの合計はホンダ(アキュラ含む)や日産を追い越しており、実質No4位となっている車両メーカーなのだ。

 日本では、クルマは売れないが、今やスマホ(ギャラクシーブランド)やPC用もメモリーボードでは、それなりのブランド価値を品質と共に認めている方も多いだろう。ただし、一部の偏執的な日本愛国者は、そのことを認めたがらない輩が相も変わらず多いのだが。そもそも、スマホ用やPC用も含めTV用ディスプレイで、日本で販売される製品の8割方は韓国や中国製品だろう。

 と云うこととで、ヒョンデのキャッチアップ技術は、日本とまったく同じであり、スマホの浸透の様に、ASV(先進安全車=自動運転車)が一般化した時代には、おそらくコスト競争で日本の多くの車両メーカーは負けると私は見ているところだ。

2.中国BYD(比亜迪)の日本進出
 2023年中頃、BYDのEV車が日本進出を発表している。販売方式は、ディーラー網を持たない、テスラと同様の直販方式だが、テスラがEV車としてはトップブランドを持つが、なかなかあなどれない存在となりそうに感じる。

 また、BYDは予てEV大型バス(路線用)を開発して、既に日本各地の旅客運輸企業に納入しだしているが、これなど日本の大型4メーカー(バス企業としては2社)の戦略の甘さを露呈させていると感じるところだ。

 なお、ついでに記しておくと、このBYDも含め中国EVメーカーのトラクションユニット(モーター+リダクションギヤ+制御回路)は、大阪本社の日本電産製だろうと想像できるが、この創業者の力量はそれなりに認めざるを得ないが、リーダーとしての資質は疑問を感じてしまうところだ。おそらく、この爺さんの元では、第2の後継者は生まれず、その内に中国国営企業の虜囚として絡め取られてしまう未来が来るのかもしれないなどと勝手な想像をしてしまう。

3.テスラの車両製造思想に見る野望
 これは、昨年辺りからテスラでモデルY辺りから取り入れられ出した車体の前後コンストラクション(内板構成物)をダイキャストで一体成型するという思想での車両設計だ。この1枚目の写真で示した様に、旧来広報だと171ピースの細分化プレスパーツを組み合わせていたコンストラクションが、前後それぞれ1ピースづつに大幅合理化出来るというところで、車両設計および製造の大幅な革新を起こすものだ。

 ダイキャスト工法というのは、金型内部空間(キャビティと呼ぶ)に溶融金属を圧入して行う鋳造の一種となるが、金型コストを要するものの、マスプロダクションを前提とすれば、大幅な製造時間短縮とコストの低減が可能となる。ただし。ダイキャスト部品は、衝撃を受けて曲がると云うより割れるという物理的破壊を起こすことや、一体成型という問題から、部分破壊の場合の一部交換が困難という性格を持つことは容易に想像できるだろう。

 ただし、現在車両が時代の要請として方向付けられているのは、EV化と共に高度なASV化すなわち自動運転への方向付けで、これは事故の絶対数を減じる方向へ向かう。すなわち、修理の難易度とか修理コストは、顕在氏なくなる方向と云うことだ。









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