私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

226事件ドキュメント

2022-06-05 | コラム
226事件ドキュメント
 たまたまYoutubeで「全貌226事件」と称された過去のNHKBSでの録画があり、断続的に関心深く眺めた。

 予備的知識としては226事件が、陸軍の青年将校が舞台を動かし、天皇中心の軍事国家樹立を目指した一種のクーデターとされている事件で、この事件の7年後に真珠湾奇襲攻撃に踏み切るなど、日本の軍部独走が強まった事件だということ程度は知っていた。

 本ドキュメントは、本反乱を起こしたのは陸軍将校だが、本事件を明細に記録した海軍機密文書が見つかったということで、そこに一定の驚きはあったが、軍隊ともなれば、情報戦としての機能は欠かせないから、特別の不思議さと云うものはない。それより、本ドキュメントの最終章で、この海軍秘録の中に、事件の7日前に、ほぼ事件のあらましや首謀者名までが特定されていたのにも関わらず、そのことが一切未公開のまま、事件が展開されたということに驚かない訳にはいかない。そもそも陸軍の反乱兵も海軍だろうが、忠君を謳い上げているのだから、まずは何はともあれ、天皇へ報告義務ある訳なのだが、一切知らぬことで、特段の妨害工作もせず、反乱を起こさせたという罪は極めて大きいだろう。

 それと、ドキュメンタリー内でもこの事件を契機に軍部の独裁は強まり、戦争に突き進んで行ったとあるが、そこのメカニズムが今一つ判り難いところだ。また、天皇の回想録で、終戦を決断したことと、この226事件のことが終生頭にあったと云うことを述べているが、ここで仮に天皇の立場で思考するに、権威はあれど、真の権力はなく、祭り上げられ看板としての天皇の権威は高まれど、一切のところ指揮命令できる権力はなく、あたかも自分が決裁したごとく、何かに付けことが進められていくことに内心は忸怩たる思いも合ったのではないかと云うところに行き着く。

 ここで、先の海軍情報部が、事件の7日前に本計画の概要を把握しながら、このことを秘匿したまま結構させるに至った動機だが、陸軍優位に政権を確立されても良いなどとは思わぬにしても、いじれにしろ軍部主導の政権が望ましく、そのためには天皇がどう思うかなど論外という本音が透けて見えると云うことだ。つまり幾ら天皇陛下万歳だとか天皇の軍隊だとか云うが、本当のところは、まったくの嘘で、自分らが仕切り、あくまでも軍人の思いとしての覇権を握りたいというところに尽きるのだろう。これは、陸軍も同じことで、どう見ても戦局が負け続けている曲目に至っても、陸海軍とも負けを認められず、するずると戦争を引き延ばし続けたというところは、これは軍人の特性なのか、日本の官僚主義から来る特性なのか判らないが、行き着くなどと考える内容であった。


全貌226事件 NHK録画(全1:40min)
https://www.youtube.com/watch?v=8jrqD0InoU0


#226事件ドキュメント


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。