芽柳や御堀に憩ふ数多鳥
めやなぎや おほりにいこふあまたとり
「春分の日」の昨日の事。妻の実家の永代供養も在り久し振りの上京、丸１日を過ごした。池袋ー神楽坂ー丸の内ー宮城と乗り継ぎながら１０キロ近く歩き親孝行と己が身の耐久テストをした。一行は妻と案内の東京住いの孫娘の３人連れ。４月陽気の天気に恵まれた。今朝方の体調は、取敢えずＯＫだ。薄ら寒い夜半からの雨の庭先を眺めながら、挑戦の成果を噛みせめているところ。
球根くれし女も老いたりクロッカス
ねくれしひともおいたりク ロッカス
彼岸の時期になると人は逝きし人を忍び今に至る己が過去を顧みる。公園のクロッカスがボツぼつ盛りを過ぎ始めた。現役直後共に学んだいきがい大学の諸氏もともに老いの境地に入る。
亀鳴くや魑魅魍魎の四方の国
かめなくやちみもうりょうのよものくに
彼岸入りの昨日、秋田男鹿半島の集落で、北朝鮮のミサイル落下を想定した避難訓練が実施された。思えば我が国を囲む周辺４国は核武装され自国拡大発展の思想の許に大威張りの振る舞。なのに内政は森友事件・豊洲事件などと負の話題に明け暮れ。熱戦の大阪場所に癒される庶民である。
癌の君遺せし奥や入り彼岸
がんのきみ のこせしおくや いりひがん
「彼岸入り」の今日午後に後輩のＳ家の墓参りをして来た。Ｓ君は私より１回り若年なのに闘癌中に奥さんを亡くした。Ｚ菩提寺に預け置いた遺骨を健立の墓に２月に納骨された。デーサービスに通うＳ君をかってののゴルフ仲間で時々サポートしている。「あたたかや人疑わぬ妻とゐて」（句師詠）多病ながら今日を生きている己の幸せをかみしめる。
侍の投打好守や春嵐
さむらいの とうだこうしゅやはるあらし
ＷＢＣの一次二次リーグを６戦６勝した侍ジャパン。凄い！昨夜のイスラエル戦は５回に火を噴き８．９回で突き放した。大谷・嶋選手を欠いての「最「弱」が「最強」都なりフアンを驚かせてくれた。２２日のアメリでの準決勝、優勝の気配濃厚だ。祝うかに全国誰の今日。今夜は平常睡眠が得られそうだ。
なごり雪緊張ほどく松の縄
なごりゆき きんちょうほどくまつのなわ
春一杯の季節がそこまできている。この時期の気圧配置は「なごり雪」をもたらす。降るはしから解け出す淡雪に、雪吊りがホット緊張から解放される日になりそうだ。毎晩緊張の果てに勝ち抜いて来たＷＢＣの侍ジャパン。昨夜も死闘の末キューバーに勝ち決勝への足掛かりを得た。
春雨や供千人の国王来
はるさめや ともせんにんのこくおうく
久方ぶりの夜来の雨で静まる庭先。昼前には止んで夕方から明日に掛けては雨か雪の予報。寒戻りである。千人の供を伴い東京滞在中のサウジアラビアのサルマン国王一行。「脱石油」での経済再建のビジネス旅行に土産店街は静かとか。
押車時速センチの春の雲
おしぐるまゆく じそくせんちのはるのくも
ＷＢＣ４戦目の昨夜は激闘の末の４連勝を果たした。日替わり前の１０回にひいきの中田翔が２点タイムリーで決着をつけた。片や４人横綱の大阪場所の初日。大鵬と日馬富士が破れる波乱の出発だった。興奮を治めるかの曇り空模様の今朝である。
デーサービスに通う夫婦や麦を踏む
散歩道に在るデーサービスは日曜日は休みらしい。ここに通っている老農夫婦が麦を踏んでいた。遠浅間をゆっくりよぎるよぎる雲。天地の無心の動きに落穂拾いの名画が重なる。背中の痛みが続く。背骨の歪みか近辺の臓器の警鐘か定かでない。今日も歩いて熟睡に備える。