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脱処方(De-Prescribing)とは?

2021-06-23 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 
前回のケースの脂質異常症に対しては代わりに食事と運動療法が行われたが、ケースによっては、そもそも内服治療が必要でなくなることがある。
 
 
オーストラリア・クイーンズランド州にあるPrincess Alexandra Hospitalの総合診療部門に入院した高齢患者(平均年齢84才)に対して脱処方介入を行ったパイロット研究結果では、スタチン系薬剤が最も多く脱処方された薬剤であった(下表)。
 
 
1:脱処方(De-Prescribing)頻度の多いトップ薬剤
(カッコ内の数字は脱処方数/もととも受診前に処方されていた数)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1. スタチン(21/37
 
2. プロトンポンプまたはH2受容体阻害薬などの制酸薬(19/40
 
3. ACE阻害薬またはアンギオテンシンII受容体阻害薬(15/31
 
4. 吸入気管支拡張薬(14/20
 
5. 利尿薬(12/23
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
このPrincess Alexandra Hospital介入では、84%の患者で2種類以上の薬剤が脱処方され、50%の患者で4種類以上の薬剤が脱処方されていた。
 
 
この介入で、脱処方された主な理由について下表に示す(表2)。
 
 
表2:主要な脱処方(De-Prescribing)の理由
(カッコ内の数字は脱処方数全体に占める割合)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1.      医学的に適応無し、または処方カスケード(32%)
 
2.      有害性のリスクが利益を上回る(26%)
 
3.      症状への効果が無い、または症状がすでに消失(22%)
 
4.      薬剤の効果を認める期間が予測余命より長い(17%)
 
5.      過度な治療負担(3%)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
このPrincess Alexandra Hospital介入では、数か月フォローでも、脱処方薬剤を再開したケースは約1%のみであった。

 

 

写真:西原東崎の海岸

 

 

 

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