燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

子供の肥満4 連載 その44

2013-06-30 | 本の紹介

 前回に引き続き、健康長寿は子供から、子供の肥満対策について考えていきましょう。

 寂しい子供は食べ物に慰めを見出すこともあります。 こころの問題があるときは、原因があればそれを取り除くよう努力しましょう。 そのためにも、家族で食卓を囲むことは重要です。

 早く食べると消化する十分な時間がなく、満腹感を得ることができないうちに量をたくさん食べてしまいます。 よく噛んでゆっくり味わって食べましょう。 そうすれば少ない量で満足感が得られ、結果的に肥満にならないのです。

 テレビの方に夢中になっていると、なにを食べているかわからず、味覚も落ちてしまいます。 食事中は食事以外のことをしないようにします。

 高カロリー・高脂肪、過剰な砂糖、塩分の多い食事は避けましょう。 これらの食事は生活習慣病に直結するものです。 子供も2歳になったら、成人と同様、これらの食事に気をつけましょう。 野菜、果物、全粒粉パン、低脂肪あるいは無脂肪の乳製品(チーズや牛乳など)、魚を主体とした食事にしましょう。 ジュースは糖分が多いので制限しましょう。 肉は脂の少ないものにし、皮があれば取り除きます。 カロリー・塩分の多い食事やスナック菓子、塩分の多い調味料やドレッシング、たれなどは避けましょう。 また食物繊維の多い食品を食べるように心がけましょう。

 子供のおやつは、野菜、果物、ヨーグルトなど、低カロリーで栄養価の高いものにしましょう。 大人の肥満対策としては間食を控えるのが重要ですが、子供の場合はおやつによって栄養を補給する意味合いもあります。 それでも多くを与えすぎないこと、子供の手の届くところにお菓子があって、いつでも食べられる状態にしないことが大切です。

 皿一杯に食べ物を入れて出さず、めいめい皿に少量ずつとって出しましょう。 必要以上の量を食べずにすみます。

 おなかがすいていないときは無理せずに食べさせない。 ただし、病的に食べない場合は、医師の診察を受けましょう。

 ジャンクフード(ファストフード)は高カロリーで脂肪分や塩分が多く、栄養価が低い食品が多いので、できるだけ避けたいものです。 食べる場合は、週一回ぐらいにとどめましょう。

 食事やお菓子をごほうびにしたり、罰として食事を与えないというようなことはやめましょう。健全な食の感覚が育ちません。

 全四回にわたって、子供の肥満について考えてきましたが、これらのことを参考にして、健康によい食事や運動習慣を身につけ、子供を健康な大人に育てましょう。 習慣は一朝一夕では身につきません。 毎日の積み重ねです。 でも小さいときから身につけた習慣は無理なく、大人になってもつづけられるのです。 よい習慣は子供への最上のプレゼント、健康で長寿を約束してくれるのです。

 このシリーズは今回までで、次回は受動喫煙について考えていきましょう。

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