健康長寿は子供から、と題しています今回は受動喫煙について考えていきましょう。
受動喫煙とは、家族やまわりの人が吸った煙を子供が受動的に吸い込むこと、さらには母親が妊娠中に喫煙し胎児に与える影響も含まれます。
タバコの煙にはニコチン以外にも、さまざまな発ガン物質、さらには一酸化炭素など血管をいためつけ心臓病の原因として考えられる物質まで含まれており、受動喫煙者の血液、尿、唾液などから実際の喫煙者と同様の毒物が検出されることがわかっています。
また、妊婦が喫煙することにより、これらの毒物は胎盤を通過し胎児に移行することもわかっています。 驚くべきことに、厚生労働省の調べでは、妊娠中に喫煙する母親の割合は2000年には10%となっており、この十年で倍増しています。 特に10歳代の妊婦の喫煙率は34%で、これに未婚という条件を加えると、喫煙率は80%にものぼるとする報告もあります。 おなかの中にいる胎児がタバコをくわえている姿を想像してみてください。 妊婦の喫煙はそれと同じような状況を表しているのです。
妊婦の喫煙により胎児に起こりうる影響は次のとおりです。
●周産期死亡率の増加
●低出生体重児(未熟児を含む)の危険増加
●早産の増加
●脳の発達の遅れ
●身体発育の遅れ
●先天性奇形の増加
●その他(不妊症、前置胎盤、前期波水、胎盤早期剥離などの合併症増加)
次に受動喫煙により子供に起こりうる影響は
●乳児突然死症候群の増加
●白血病を含む小児悪性腫瘍の増加
●肺の発育の遅れ
●喘息の発症とその症状の悪化(とくに喘息の家族歴がある場合、リスクはさらに増加)
●気管支炎、肺炎などの呼吸器系感染症の増加
●中耳炎の増加
●虫歯の増加
●大人になってからの肺がん、心臓病の増加
喫煙が子供の健康に与える影響はこれ以外にも報告されており、喫煙者は自分の健康ばかりでなく、未来のある子供たちの健康まで奪おうとしていることを十分に理解して下さい。
今回はこの辺で、次回は骨について考えていきたいと思います。