燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

スタチンによる絶対リスク低下は何?

2021-04-08 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。

 

スタチンを10年間飲むと、「相対リスク」で心筋梗塞発症率が約1/3低下することが示唆されている。
 
 
しかし、実際の臨床現場での判断で重要なのは絶対リスクの変化である。
 
 
「絶対リスク」でみると、3%のうちの約1/3(1%)のみ低下するということになる。
 
 
「絶対リスク」的にはたった1%(NNTでは100人を10年間となる)。
 
 
ここで脳梗塞のリスクを加えても10年間で約計5%なので、その3分の1は2%未満となる。
 
 
 
一方、スタチンの副作用には、横紋筋融解症や耐糖能障害に加え、記憶障害の可能がある。
 
 
AHAのガイドラインでも、10年間における動脈硬化性心血管疾患の予測イベント率が7.5%未満の場合にはスタチンは推奨されていない。
 
 
ということで、このケースでのスタチン両方の価値は高くない。

 

 

写真:南城市佐敷方面を望む

 

 

 

群星沖縄臨床研修センターのホームページです。沖縄の基幹型8研修病院での研修医教育に貢献しています。

 

マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

 

徳田安春・公式ツイッター

https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda

健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2020のジャンル別賞の健康部門2位を受賞しました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 緊急事態宣言の解除以降のコ... | トップ | 再び、Lake Wobegon 効果 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

闘魂症例検討会」カテゴリの最新記事