燃えるフィジカルアセスメント

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高血圧の予防には社会全体の減塩策が有効

2016-03-23 | 養生訓

    

 

 ポピュレーション戦略は、社会全体を対象として、病気にならないために健康な人々が戦略的に行うゼロ次予防対策です。

 

 例として、すべての加工食品で塩分や脂肪含有量を制限する、公共の場での全面禁煙、そして自動車使用を制限する政策、などがあげられます。


 ここでは、塩分摂取量への効果についてみていきます。


 まず、旧石器時代の人類の塩分摂取量は一日あたり1.5g程度だったといいます。


 そして、塩分を一日約3gしかとっていない国では、高齢になっても血圧はほとんど上がっていません。


 現在の日本人の食塩摂取の平均は、約12gです。


 最近また上昇している原因は、レトルト食品の普及などといわれています。


 一人の高血圧患者が塩分摂取量を1gだけ減らしても大きな臨床効果はありません。


 ある学会の試算では、日本人全体で一日平均塩分摂取量を1g減らしただけで、脳卒中患者は年間約1万人減り、死者は約4500人も減るとのことです。


 今回はここまでです、大相撲春場所は昨日までで全勝が稀勢の里ただ一人で一敗で二人が追いかけている状況です、ふた場所続けて日本出身力士が優勝することがあるのかどうか、今日の取り組みが注目されますね、では次回に。


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徳田安春
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