燃えるフィジカルアセスメント

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青木眞先生ケースカンファレンス・パールもりだくさん

2013-04-14 | 闘魂症例検討会

今日は品川で青木先生とケースカンファレンスを行いました。

下記は参加してくれた天理よろず相談所病院の佐田先生の青木先生トークのメモです。

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主訴・現病歴Pearl

青木Pearl: 主訴を聞いたときに一番大事なこと:

      How long?・・・>症状の長さで鑑別は変わる

      How repeat?・・・>反復する(完全に症状が消失してから再燃)時は

                基本的に感染症の可能性が下がる

◯現病歴:4月から発熱・呼吸困難、2週間の経過で増悪

青木Pearl: 発熱でひっかける2point

      Magnitude:41℃を超えたら感染というより環境因子

      Duration:発熱期間が長いと、熱だけで増悪・軽快を読み取れない

           (けど本症例は呼吸苦だけprogressive)

青木Pearl:「 IEの症状の半分は免疫学的反応による」

青木Pearl:若年者が罹患する市中肺炎のまとめ

     pneumococcus / mycoplasma / chlamydophila

     TB / HIV-PCP / cryptococcus

     zoonosis(tularemia / chlamydia psittasi / Cocciella)

青木Pearl: 家族歴でのTBのみならず・周囲の方に医療従事者/透析者などTB発症率が

      高い人がいないかどうかも確認!

青木Pearl: 仕事歴では畜産や農業をしているかどうかも確認(Zoonosis)

     (本症例は都内で事務職・no job NEET)

青木Pearl: 旅行歴:場所・期間のみならず、その土地で行った行為も大事

     (eg. 水辺で遊んだ、生ものを食べた、Unsafer sexをした)

サパイラpearl:「体重減少の最初に聞く項目:味覚障害(Zn / Fe,)」

       「ベルトの穴の進み具合で体重減少のmagnitude/durationを把握する」

青木Pearl:「若年でfever + weight lossの起こりやすい病態:Cancer / Tb / HIV」

青木Pearl: 「大人は基本的に中耳炎を起こさない/起こせば特殊な病態を合併!」

     (Lymphoma / GPA等は別 / Syphilisは肉芽腫を起こしたりする)

青木Pearl: 「メキシコ渡航後ではジフテリアを考える(強い白苔付着+気道閉塞)」

      「DPTで得られた僕らのジフテリアの免疫は、5年程度で枯渇している」

検査Pearl

青木Pearl:CMVに関しては、抗体検査は基本的に当てにならない

      CMV IgG/IgMは、rule in /rule outに使えないので測る意味は無い

      CMV pp65 antigenに関しても、陽性=病態の主因とは言えない

      本当に疑ったら、組織で評価するかどうかが問題

 

青木Pearl: LaboでHIVを発想するタイミング一覧

      ◯Hyper-eosinophilia / normal WBC / normal PLT・・・HIV

      ◯TTT/ZTT↗・・・HIV

      ◯Unexplained ESR↗・・・HIV

青木Pearl: Unexplained LDH elevation with HIV patients

      ・・・>PCP / Lymphoma / Leishmania

HIV関連Pearl

青木Pearl:Pneumonia with HIV patient may caused by multiple agents.

 

青木Pearl: HIV-PCP・・・>Tbの可能性があるからまずは隔離を!

青木Pearl: HIV-Quantiferon・・・>基本的にはnegativeになることも(50%)

 

青木Pearl: HIVの場合、WBCが下がらないとCandidemiaは起こさない

青木Pearl: 皮膚黒色隆起性病変・・・カポジ肉腫か? 

      ただし、皮膚にいたら肺にもいるかも知れないと考える

青木Pearl: HIV患者のCMV invasion・・・>網膜と腸

青木Pearl: HIV-related fungus:pneumocystis / Cryptococcus /Aspergillus

青木Pearl: parasiteではStrongyloidesが重要

      HIVだからといってmalariaに罹患しやすくなることは無い

9日目から呼吸状態悪化/状態悪化時のPearl

・・・>VCM PIPC/TAZ + mPSL pulse

    (青木先生にとっては、VCM+ PIPC/TAZ or carbapenemを使われてから相談

     されるのがcommon senarioとのこと)

    ・・・>けれど大事なのはVCM + PIPI/TAZの前にorgan by organで考える

        特にnon-infectious cause or systemic toxic event

        (PE/DVT, Drug feverなどなどなど)

        (入院してから起こるMRSA/TSSなどなどなど)

 

青木Pearl: 初期治療を外した場合にRIckettsia/Borreliaは思考の中に

      (Life-saveのためのDoxycyclinは止むを得ないことも・・・)

 

青木Pearl: ICT consultationの基本

      ◯「ないこと」「ないこと」を「確実にない」と確認する

        ・「CVCは入ってないですか?」・・・>「入ってません」

                         実は入ってた・・・

        ・「下痢してませんか?」・・・>「してません」

                         実は下痢してた・・・

        ・「皮膚とか関節に異常ないですか?」・・・>「ありません」

                         実は足首腫れてた・・・

 

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