みなさん、こんにちは。
前回(2022-3-8)の症例は敗血症性ショックである。
敗血症性ショックの定義は「敗血症+ショック」である。
ここでショックの定義は主要臓器循環不全であり、意識障害は脳循環不全ありとみなす。
血圧もベースラインからかなり低下しており、収縮期血圧は40mmHgも低下している。
頻脈がないことはメトプロロール(β遮断薬)内服中であったことが原因であろう。
内服薬の内容をチェックしてバイタルサインも解釈すべきである。
この患者では頻呼吸も見られる。
一般に、「ショック+頻呼吸」を見たら敗血症性ショックを考慮する。
糖尿病患者は高血糖による浸透圧利尿により容易に脱水になりやすいが、脱水のみでは頻呼吸はこないのである。
敗血症でなぜ頻呼吸となるかについて表2にまとめる。
この症例では表2のうち③と④はなかったため、①と②による機序が考えられる。
ところで、敗血症の急性期では、発熱がない場合や逆に低体温の場合もあるので注意すべきである。
この症例でも体温は基準値内であった。
むしろ病歴で悪寒戦慄の有無を聞くことが重要であり、悪寒戦慄( 布団を重ねてかぶっても体をブルブル震わせるくらいの悪寒)は「敗血症」を示唆する(相対リスク約10倍)。
この症例の臨床診断は壊死性筋膜炎による敗血症であった。
治療内容は迅速輸液投与と抗菌薬投与(バンコマイシン+クリンダマイシン+メロペネム)に加え、緊急で外科的デブリドメントが施行された。
写真:沖縄本島中部、読谷村の海岸
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