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65歳女性、左半身の脱力と構音障害

2022-08-10 | 闘魂症例検討会

みなさん、こんにちは。


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数年前より高血圧を指摘されるも治療せず放置。

 

今回、買い物中に突然、左半身脱力を自覚し、救急車にて来院。

救命士によると、左半身運動麻痺と構音障害あり、とのこと。

 

バイタルサイン:血圧 90/60 mmHg、 脈90 /分、 呼吸 18/分、体温 36.3度。

 

身体所見上、顔面を含む左半身筋力低下があり、緊急で撮影されたCT所見と合わせて、右大脳半球領域における急性期脳梗塞との診断。

 

担当医は、脳外科オンコールに相談して緊急血栓溶解療法の準備を開始。

しかしながら、指導医により、四肢の脈拍の触診と上肢の血圧の左右差がチェックされた。

以下がその結果。

 

右橈骨動脈脈拍弱い:右上腕血圧 90/60 mmHg

 

左橈骨動脈脈拍強い:左上腕血圧 170/100 mmHg

 

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ピットフォール

 

「脳梗塞のみにショックなし!」というクリニカル・パールがある。

 

このような患者では、脳梗塞以外の他の要因も考慮。

脳梗塞急性期患者では、血圧が140/90以上となる場合がほとんど。

それ未満であれば、むしろ他の疾患の合併も考えるべき。

 

心臓血管系の急性病態では、「対称性の破れ」がないかどうか、四肢の脈拍を触知する。

 

脳梗塞患者は全例で血圧の左右差をチェックすべき。

急性大動脈解離が原因となって脳梗塞をきたすことがある。

 

 

写真:南城市の新開からの風景です。

 

 

 

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