五木寛之氏の「林住期」は、人気のある本のようなので、読んでみた。表紙カバーにかいてあった、作家小川洋子氏の言葉が、気になった。
「衰えを傍らに一歩一歩大地を踏みしめながら進みはじめた時こそが、真の人生の収穫期となる・・・」 思いついたときに、したいようにしているちゃらんぽらんな小生にとっては、「一歩一歩大地を踏みしめる」ということに、実感が湧かないのである。
"「林住期」とは、社会人としての務めを終えたあと、全ての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」である"。
「林住期」という人生の黄金期を迎えるために必要な条件があるともいうのである。
仏教用語であろう、「人身(にんじん)受け難し」という言葉に初めて出くわした。
この言葉の意味は、「人として生を受けることは、じつに大海の一粟(いちぞく)を拾うほどまれなこと、稀有で貴重な機会をえた(与えられた)、それ故、自己に対しての義務をはたすべきである」とのこと。
その義務とは、
1. 本来の自己を生かす。
2. 自分を見つめる
3. 心のなかで求めていた生き方をする。
4. 他のためでなくただ自分のために残された時をすごす。
義務からやっと解放されたかと思ったら、また義務かいなと、少しく“しんどく”感じたのである。報酬とビジネスを無視して、生きるために必要なことから「興味」への転換をせよとも言う。
やはり黄金を手にしようとすると、一筋縄ではいかず、しんどいことである。