小生もそうであったが、「暦」とカエサルとは、いったいどんな取り合わせかといぶかしく思われる読者もおられるだろう。
ローマの大陰暦は紀元前七世紀につくられていた。月の満ち欠けに応じた1年の日数が355日のものだった。このためカエサルの頃には、暦と実際の季節が三ヶ月もずれてしまっていた。
カエサルは、エジプト人の天文学者とギリシャの数学者に暦をつくらせた。この暦は1年が365日と6時間の太陽暦だった。そして余りの6時間には、4年毎のうるう年をとりいれていた。この暦は「ユリウス暦」と呼ばれた。
AC1582年法皇グレゴリウス13世によってグレゴリウス暦がつくられ現在に至っている。この暦は、365日と5時間48分46秒が1年である。ユリウス暦と較べると、1年で12分弱の誤差である。
但し、幾ら正確だとはいえ、カエサルらしさくユリウス暦を国際暦とはしたが、他民族には強制しなかった。すなわち、他民族には自国の旧来からの暦とユリウス暦との併用を求めた。