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西の京(薬師寺・唐招提寺)ウォーク。

2009-06-08 19:32:45 | 古寺巡礼
日曜日、お天気に恵まれたのでこの日が最終日の唐招提寺の鑑真大和上像御影堂の一般公開と薬師寺の玄奘三蔵院の特別拝観をしたくて世界遺産の二ヶ寺をメインに西の京ウォークにでかけた。
自宅を10時半に出て電車を乗り継ぎ薬師寺に着いたのが12時10分。毎年、西の京には来ており薬師寺はおなじみのお寺だが、今回はとくに亡き母のお礼をしておきたくて訪れた。


去年のゴールデンウィークに訪れた時、母に手守りを買い、見舞いに帰ったとき、“薬師寺さんの仏様がお守りしてくれるからネ”と自分が手にかけた手守りを母は亡くなるまでずっと右手にしたまま、亡くなった時も右手にしてあったことを兄から聞いた。母をお守りいただいたご本尊の薬師如来様へお礼参りをしておきたかった。金堂ではその薬師如来と、去年の春に訪れたときは、東京国立博物館での薬師寺展に出張中だった日光菩薩、月光菩薩にも会うことができた。薬師三尊のある金堂。


薬師寺は、天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願して発願(680)、藤原京にに創建されたが、平城遷都(710)にともない現在地に移設された。その後、幾多の災害を受けて創建時の建物は国宝の東塔のみとなっている。
東塔、六重に見えるが実は三重塔。塔と塔の間に裳階(もこし)をつけている。
★裳階とは、仏堂・塔などで、本来の屋根の下につけた差しかけの屋根のこと。


薬師寺を訪れると楽しみがいくつかある。その一つが、若い僧が拝観者にしてくれる講話、修学旅行生や団体客の多い薬師寺は金堂、講堂、食堂で仏教をやさしく楽しく説明してくれる、それを聞くのが好きで今回も金堂と講堂で聞かせてもらった。
また、国宝の東院堂の国宝聖観音菩薩像には惹かれる、白鳳時代につくられたというが、肩まで下がる垂れ髪がなんともいえぬ気品があって気に入っている。

薬師寺のさらに楽しみは、売店で菅主さんや執事さんの書かれた書物を買うこと、松久保菅主が書かれた「生きる指針」を買った。ここでないと買えない書物が多いので買うことにしている。

玄奘三蔵院の平山郁夫画伯作「大唐聖域壁画」の特別展へ。



インドから中国へ仏典を運んだ玄奘三蔵の歩いた道を平山画伯が歩いて描かれたシルクロードやバーミヤンの大型壁画の迫力は何度見ても感動する。


弁当を食べていると2時を過ぎたのであわてて唐招提寺へ、薬師寺から唐招提寺へはまっすぐ一本道、突き当り右へすぐのところ、急ぐ。


西の京の代表的なお寺は薬師寺と唐招提寺。この両寺は、奈良公園の東大寺と斑鳩の法隆寺のちょうど真ん中に位置するところにあり、電車(近鉄橿原線)にも近く便利がいい。そのせいもあるのか、鑑真大和上像御影堂の一般公開5日目の最終日は大勢の人が訪れていた。南大門を入ると正面に金堂がある。


「唐招提寺は天平宝字3年(759)、唐の高僧鑑真大和上によって創建されました。鑑真大和上は聖武天皇の願いに応えて来朝を決意されました。井上靖の名作「天平の甍」にもあるように、五度の失敗にも屈することなく来日してわが国に戒律を伝え、大和上の称号を賜りました。その後、戒律を学ぶ道場として、当寺が創立されました。以来千二百有余年、律宗総本山としてその法灯を今に伝えています。金堂は代表的な天平建築です。」・・・拝観券の説明文のままに・・・

来年の奈良遷都1300年に合わせて今年の秋に落慶するという金堂が、10年がかりの大修理が進んでいるのだろう覆いがとられて金堂の姿が見えたのには驚いた。唐招提寺といえばこの金堂の姿、まだ金網の向こうだが、よく見える。


唐招提寺は、天平最大規模の金堂の他、天平様式の古い建物がずらり。隣の薬師寺が新しく再建されたものが多いのに比較すればよくわかる。緑の木々に囲まれて建物が配列され、どこにいても気持ちが落ち着く。

金堂の後ろにあるのが国宝の講堂で10年間、金堂に代わって唐招提寺を訪れる人の相手?をしてきたものと思う。弥勒菩薩坐像が真ん中に安置されている。長椅子に座ってしばらく時を過ごした。


芭蕉句碑のある坂道を上り突き当りを右へ、木漏れ日のそそぐ木立の道をすすむと左手に鑑真大和上御影堂へ。


3年ぶり大和上像にお目にかかった。小さな大和上像に会うには畳の間に座って移動しながら順番を待つ、この時間がなんとも言えぬ気持の安らぐ時間。大勢の人なのに話し声ひとつ聞こえないのも不思議な空間。お土産にもらったハガキから鑑真和上の像。


御影堂からさらに奥へ土壁にそって50メートルほどすすむと大和上の御廟があるのでそちらへも寄ってきた。去年きたときは、ケイカがきれいに咲いていたが、もう時期が過ぎていて見ることはできなかった。



お参りをしたあと社務所へ寄って御朱印をもらい次のコースへ。
唐招提寺金堂の本尊「盧舎那仏坐像」は落慶まで見られない。


ここからは近鉄西大寺駅まで歴史の道をウオーキング。


稲田の道をはるか向こうに若草山が見える。


西の京に来ると昼食の弁当場所にしている垂仁天皇陵へ、全長227メートルの前方後円墳。弁当は薬師寺で済ませたが残りのおにぎりをここで食べる。汗をかくほどの陽気なのに木陰にはいると御陵の堀から吹いてくる風がとても気持ちがよくてしばらく休憩にした。



古い街並みを曲りくねりながら菅原天満宮へ、ここは二度目、菅原道真が生まれたという伝承があり、入口の鳥居の横にその大きな石碑が立っている。


菅家発祥之地・道公御誕生所


そこからすぐ近くにある喜光寺へも寄った。ここに来るのは初めて、ある本で、このお寺の金堂が東大寺の大仏殿造営に試作として作られたものと書かれていたので行ってみたくなった。
古い、粗末な入口をはいると左手の木々の向こうに建物が見えたので前に回ってみた、ほんとうに東大寺の大仏殿にそっくりさん! いや驚いた!


行基が養老5年(721)に創建した古いお寺だが、訪れている人影はなかった。社務所の人とお話をして御朱印をいただいた。境内にはスイレンが咲き、まもなく200鉢のハスも今月から来月にかけて咲くという。きっとその頃はカメラマンが寄ってくるのだろう。


しばらく行くと新興住宅地になり西大寺の門前を通って近鉄西大寺駅へゴール、16時45分になっていた。
歩いた歩数は約14000歩。ウオーキングにすればわずかな歩数だが、心の歩数はその何倍かになっているはず。たくさん歩くこともいいが、日々を安定した気持で、心安らかに、過ごせるように、自分と向き合う時間をつくることはもっと大切なこと、この西の京コースは、自分がウオーキングを始めて最初に歩いた思い出のコース、気分がよかった。

古寺巡礼100寺目標、今回で13寺。まだこれから、それだけ楽しみも多いということ。