■ 一週間前から
イベント参加に備えてオートバイの整備をした。
一週間前、リアのサスペンション周りの分解整備。
サスペンションユニットを外し、スイングアームも外し、
各部の清掃とチェック、そしてグリス交換をしつつ、更なる
フリクション低減を求めた。
前日、フロントサスペンション周りの分解整備。
ブッシュとオイルシールの交換にコーティング処理。
残ストローク量と1G'車高を過去データに合わせての油面調整。
その後の試走、あまりにも上質な動きに心ときめき、
更に上を目指し、フォークオイル少し抜く。
■ イベント当日
いよいよ イベント当日。
いつもの基本練習、ノーブレーキでの旋回から始まり、
様々な角度のターンと速度を組み合わせた基本パターン。
調子良い!
気持ち良い!
冬の間の走行不足を忘れてしまう程、オートバイは走る。
こんなに気持ち良くて良いのか ?
■ ベテランSさん
いつも お世話になっている ベテランSさん。。
ちょっと怖い風貌で、変わった車両を好む人だが、
セッティングに関しては「一家言」のある、信頼できる人。
そんな彼に、時々、車両に乗ってもらって評価を受けている。
きっと今日こそ、「いいねぇ~」と言ってくれる筈。
しかし! 返ってきた評価は 「不安定で恐い」だった。(??)
■ 転倒に学ぶ
「そんな事はない!」
「きっと、走りを観ればわかる筈 」
個人練習時の気持ち良さから、彼の言葉はうわの空だった。
個人練習から全体で行なう走行練習へと移り、
気持ち良く走り始めたその時、
ちょっと走りが攻めすぎたのか、
前日の更に上を狙ったセッティングが仇なのか、
フルバンク時にコマの様にゆっくり回転転倒した。
?????
■ 攻めてこそ
イベント終了、ガレージに戻り、
大きく曲がったブレーレバーと 整列が崩れたフロントフォーク
直しながら考えた。
判った !!
ノーブレーキの基本走行練習に合うセッティングだったのだ。
ブレーキを一切使わず、様々な走行パターンがこなせるが、
ブレーキ、特にフロントブレーキを使うと合わないんだ。
ターンイン時のトレール量が小さ過ぎるのだ。きっと。
その為、フルバンク時にフロントブレーキ使用によって、
当然ながら、ノーブレーキ時よりもトレール量が減り、
それで不安定になったフロントタイヤが理想状態よりも舵角がつき、
少し切れ込み過ぎたフロントタイヤが抵抗になり、
それで荷重が減っていたリアタイヤのスライドが始まったのだ。
ベテランSさんの見解は正しかった!!
攻めてこそ、はっきり出たオートバイのアンバランス。
やっぱり、普段乗りだけでなく、限界域も確認しなくては!
早速に、フォークオイル 4㏄ 戻した。
また、1G'車高から中間ストローク域の車高も要調整だ。
さあ、これで次こそは、
攻めたフロントブレーキを使っての、高バランスの走りになるか?
もっと、もっと高い次元の世界へと行けそうだ。
待っていてください、Sさん。
■ あとがき
整備やセッティングの話ばかりになりましたが、
こんな恵まれた環境で練習ができるのを感謝しています。
オートバイと深い会話をしてこそ、オートバイの理解が進み、
一般道での安全度の高い走行を実現できるのですし、
それはいつまでも楽しく安全なライディングへと繋がります。
また、これからもよろしくお願いします。
■ 当日の 「開催リポート」や 「コース図」、他の人の「感想文」は、下記の「イベント記録」ページからご覧ください
http://gra-npo.org/document/record/2017/20170326.html