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「~かな」文化 日本の未来は

2010-12-28 21:29:12 | コラム・社会
いつ頃から始まったか、はっきりと憶えていないが ・・
知らない間に社会に随分と浸透してしまっている様だ。

きっと、多くの人は気付いているが、既に浸食されているのだろう。
そう言っている自分も、きっと毒されているのかも知れない。

日本独自の「~かな」文化の未来はどうなるのか?
心配だ。

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初めてはっきりと違和感を感じたのは、TVでのインタビューだ。
オリンピックの選手が会見の場で発した言葉でだ。

「楽しめたらいいかなと思います」の言葉。

もちろん、“楽しむ”という感覚を持つのは良い事だ。
緊張して委縮するよりも、力を発揮しやすい人も多いだろう。

違和感を感じた部分は「~かな」の部分だ。
随分と曖昧でファジーな表現箇所だ。

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育成過程から遠征まで、税金を使っているからとか、
多くの人の注目を集め、あこがれの対象だから 気になるのではない。

正式な会見で、「~かな」レベルの表現方法をする人物に対して
金銭を含めたサポートをしている団体や企業、個人がいるだ!
・・という違和感だ。

TVの中を見回すと、実に多くの人が「~かな」文化が浸透している。
タレントは勿論の事、一般の方の多くが毒され浸透している。

だから、既に文化の一つとして浸透いるから問題無いと
多くの方は理解して、知らずに(遅れまいと)使っているのだろう。

しかし、自身の意図や意思を表現すべき場合に
「~かな」文化を使うのはどうだろう?

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自身の意思を公表すべき場合でも、よほど自信が無いのか?
よほど相手からの反論が怖く感じているのだろうか?

本来、意思をはっきりと公表すべき総理や政治家たち、
よく見れば「~かな」文化愛好者のようだ。

官僚も同様だ。

昨夜のTV会見に出ていた 検察庁の新しいトップ・笠間治雄 検事総長は、
特捜部による不正捜査の責任を取って辞任した検事総長の後任だ。

注目の新任挨拶の場で、TVカメラを前にして出た言葉が、
「再発防止策を早急に実行することが私の使命 かな と **」

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諸外国の方と英語でビジネスをする際に配慮する事の一つ、
「may be」は信用を得られないので使わない。

日本語的発想では、「~だと思います」を表現したつもりでも、
ビジネスの場ではあやふやな表現で禁句だ。

新検事総長の発言は、Net配信ニュースや紙面を確認する限り、
「~かな」の箇所は削除した意訳がなされている。

しかし、諸外国の担当者との丁々発止のビジネスや外交の場で、
「~かな」をうまく削除して話せるだろうか? 翻訳されるだろうか?

もしかすると、近年世界で日本のビジネスや外交がぱっとしないのは、
この「~かな」文化の影響だろうか?

いや! そんな事はないだろう。
日本の外交力の低さは「~かな」文化発祥以前からだ。

自身の意思をはっきりと伝え、考えを明確に伝えるという
技術や意欲が無く、その必要性を感じず、恥じない文化に、
「~かな」が丁度うまくはまり込んだと言うべきだろう。

大丈夫か?
この国、日本





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