ゾウは、仲間の死を悼むという珍しい動物であり、群れの仲間が死ねば、骨になっても、亡骸になった仲間を長い鼻で愛しげに撫で、その場から離れないともいわれるが、そのような心優しいゾウが地球上に誕生して現代までどのように進化してきたたか・・・そんな歴史上のことなども書きたかったが、長くなるので歴史的なことを書くのは止めた。
ただ、簡単に書けば、4000万年位前にアフリカ北部に現れたという最初のゾウの仲間はゾウ特有の長い鼻は持っておらず、足の短いブタのような姿で、水辺や森林などに生活する小さな動物だったという(以下参考の※:「ゾウの進化|川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人」参照)。
話し代わって、地球で最初の脊椎動物にはあごがなかった。そして、口のように穴が空いているだけの動かない口で海底にいる小さな生物やその死体を砂と一緒に掃除機のように吸い込み、こしとって食べていたそうだ。そんな、無顎類が衰退してしまったのは、3億6千万年前に魚という歯もった強敵が現れたから。あごの発達は、脊椎動物の進化における一大革命であり、脊椎動物の生活を大きく変え、その後の脊椎動物の進化に多様性をもたらした。現在、私たち人間を含め多くの生物が、陸上で当たり前に生活しているが、これは、生物がなじみ深い水の住まいを離れ、新しい生活の場である陸上へ進出した結果でもある。私たちはいつ、そしてどんな生物として上陸したのか。4億年前、上陸は植物から始まった。次に昆虫などの祖先が陸上に進出し、それまで全く生物のいなかった砂や岩だけの世界を、生物であふれる世界へと変えていった。そして約3億6千万年前、ついに魚にも上陸のチャンスが訪れた。ヒトを含む最初の霊長類は、今から約6500万年前に食虫類(ネズミの仲間)から分かれて進化したといわれており、私たちヒトの祖先もはじめは象と同じように水辺で生活していたのである。(以下※:「林原自然科学博物館」参照)。・・・それで、お前は一体何を言いたいのか?・・・。はい!つまり・・・私が言いたいのは、今生きている私たちヒトにしろ象にしろ、馬にしろ牛にしろ、その歴史を辿れば、食虫類として水辺で生活するようになる前は、もともと水の中で生活していた魚類が進化したものである・・・考えれば、それこそ、みんな同じような仲間といえるかもしれない。しかし、どんな動物でも、物を食べなければ生きてはいけない。言い換えれば、生きるということは、喰べると言うことであり、その食べている魚も牛も黒マグロもクジラも、かっては同じような魚が進化してきた生物である。だから、生きてゆく上で、これは食べて良い動物や悪い動物などといったものがある訳がない。どんな動物だって食べられたくはないのである。日本では、私たちの世代のものは、仏教の教えに従って、食時の前には、手を合わせ「いただきます」食後にも「ご馳走様でした。ありがとうございます」と手を合わせて感謝していた。「いただきます」とは、「生きてゆくために、食べさせていただきます。」「食べることによって生かせていただきます」の意味である。そして、食べた後で、「有り難うございます」と、生きてゆくのが難しい中、同じように生きているものを食べさせていただいたことにより自分が生きながらえさせてもらえることへの感謝の気持ちを述べていたのである。世界中のいろいろな国で人間は、その地その地の生物を生きるが為に食べているのであり、何を食べるかは、その国の文化にかかわっている問題だが、最近は、自分たちが食べているものについては何もいわず、他の国が食べているものについてなにかと言ってくる人や国がある。象牙についても同様である。ゾウの残した象牙を有効に活用することには何の問題もあるわけではないが、ただ、それを商売や趣味のために、ゾウを乱獲することに問題があるだけであり、これは、日本が漁をしている黒マグロやクジラなどの漁獲に関しても同じこと。幸いドーハで行われていたワシントン条約締約国会議で大西洋・地中海産クロマグロの国際商業取引を原則禁止するモナコ提案が完全否決されたが、最近は、このような余り科学的な根拠に基づかない感情的なものや、自然保護の名目、又、非常に政治的な思惑などとも絡んで、問題にされていることが多くなったように感じられる。ただ、日本人の特異性と言うか、誰かが黒マグロと言うとみなが黒マグロ黒マグロと騒ぎ出し、世界での漁獲量の大半を日本人が食べているという。又、象牙の印鑑にしても、それがブームになると誰もが象牙の印鑑を所持するようになるなど、それは、私などから見ても少々気持ち悪い面が感じられるので、世界の他の国々の人から見れば少しは異常な国、異常な人種の集まりと見られているかもしれない。
最後なって少し、脱線したかもしれないが、以前に、このブログ4月28日「象の日」で、鎖国の時代、国際貿易の窓口であった長崎に、異国からの珍しい品々が次々に舶来したなかで、徳川8代将軍吉宗が珍しい動物の絵図をみて象が見たいと注文したが、象の飼いかたもわからないのに取り寄せられ、人間の好奇心や欲に翻弄され早死にした可愛そうな象の話のことを書いたことがある。又、「日本で飼育されたインドゾウ(野生)としては最高齢だった神戸市立王子動物園の諏訪子がなくなった日」のなかで、TBSラジオ「秋山ちえ子の談話室」で秋山ちえ子により朗読されていた『かわいそうな ぞう』の話も書いたことを紹介しておこう。
そして、今日は、最後の最後に、秋元康の小説作品及び、それを原作とした日本の映画『象の背中』のことを追加しておこう。原作のタイトルにもなった「象の背中」の由来は”死期の迫った象は群れを離れ、ひっそりと最期を迎える場所を探して旅立つ”という俗説からつけられたものだが、果たして人間にそんな潔い真似ができるだろうか?。突然、末期の肺がんで余命半年を宣告された48歳の主人公(主演:役所広司)は、残された時間をどう生きるかの選択を迫られ、苦悩の末、「死ぬまで生きる」決意をし、大切な人たちに見守られて逝く事を選ぶ。良い映画だ(以下参考の※:「goo-映画「象の背中」【2007年】」参照)。これをキャッチコピーに、アニメ作家でイラストレーターの城井文の描く象のキャラクターと、JULEPSの歌とで構成されたファンタジー・アニメーションも作成された。「JULEPS」の歌もなかなかいので是非以下で聞かれるとよい。
YouTube - 象の背中〜完全版〜(字幕付き)
http://www.youtube.com/watch?v=4NKvygbkdDI&feature=related
(冒頭に掲載の画像は、向かって左:ケニア南部ツァボ国立公園で、木の葉をむしり取るように食べるアフリカゾウ。右:牙で穴を掘るアフリカゾウである。アバデア国立公園で。朝日新聞2010年3月23日夕刊より)
象供養の日 (Ⅰ)へ戻る
参考:
※:象牙:輸出案否決 規制強化取り下げ ワシントン条約会議【毎日新聞 2010年3月22日】
http://mainichi.jp/life/today/news/20100323k0000m030068000c.html
※:環境と国際関係・アフリカ象の象牙取引とワシントン条約
http://www.kyoto-seika.ac.jp/tanter/2001_kkk/lec8.htm
※:野生生物保全論研究会(JWCS)
http://www.jwcs.org/
※:甲骨文
http://yupeihsu.at.infoseek.co.jp/syouten/kokotu.html
※:漢字物語 (45)「象」 長江北岸に生息していた
http://www.47news.jp/feature/47school/kanji/post_81.html
※:青空文庫:作家別作品リスト:No.81宮沢 賢治
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person81.html
※:今日の 気まぐれ英語慣用句
http://www.eigo21.com/etc/kimagure/z159.htm
※:ゾウの進化|川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10006055992.html
特別展『ゾウの仲間とその進化』(東海大学自然史博物館)
http://www.sizen.muse-tokai.jp/exhibit/ext/2007/elephant/index.html
※:林原自然科学博物館
http://www.hayashibara.co.jp/html/shinka/
※:goo-映画「象の背中」【2007年】
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD11469/index.html
象牙 - Wikiped
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%A1%E7%89%99
東京象牙美術工芸協同組合
http://www.tokyo-ivory.or.jp/
爲 - ウィクショナリー日本語版
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%88%B2
たのしい万葉集:第三巻 昔見し象の小川を今見れば
http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/three/m0316.html
大和の地名(3)喜佐谷
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f249e18a754d41b94e36eca4eb6455a5
生命の扉
http://www.wink.ac/~ogaoga/seimeiTOP.html
JULEPSのアーティスト情報- Yahoo!ミュージック
http://music.yahoo.co.jp/artist/dtl/AAA339306/
ワシントン条約/条約の全文(外務省サイト)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html
赤い竜 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E3%81%84%E7%AB%9C
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
象供養の日 (Ⅰ)へ戻る
ただ、簡単に書けば、4000万年位前にアフリカ北部に現れたという最初のゾウの仲間はゾウ特有の長い鼻は持っておらず、足の短いブタのような姿で、水辺や森林などに生活する小さな動物だったという(以下参考の※:「ゾウの進化|川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人」参照)。
話し代わって、地球で最初の脊椎動物にはあごがなかった。そして、口のように穴が空いているだけの動かない口で海底にいる小さな生物やその死体を砂と一緒に掃除機のように吸い込み、こしとって食べていたそうだ。そんな、無顎類が衰退してしまったのは、3億6千万年前に魚という歯もった強敵が現れたから。あごの発達は、脊椎動物の進化における一大革命であり、脊椎動物の生活を大きく変え、その後の脊椎動物の進化に多様性をもたらした。現在、私たち人間を含め多くの生物が、陸上で当たり前に生活しているが、これは、生物がなじみ深い水の住まいを離れ、新しい生活の場である陸上へ進出した結果でもある。私たちはいつ、そしてどんな生物として上陸したのか。4億年前、上陸は植物から始まった。次に昆虫などの祖先が陸上に進出し、それまで全く生物のいなかった砂や岩だけの世界を、生物であふれる世界へと変えていった。そして約3億6千万年前、ついに魚にも上陸のチャンスが訪れた。ヒトを含む最初の霊長類は、今から約6500万年前に食虫類(ネズミの仲間)から分かれて進化したといわれており、私たちヒトの祖先もはじめは象と同じように水辺で生活していたのである。(以下※:「林原自然科学博物館」参照)。・・・それで、お前は一体何を言いたいのか?・・・。はい!つまり・・・私が言いたいのは、今生きている私たちヒトにしろ象にしろ、馬にしろ牛にしろ、その歴史を辿れば、食虫類として水辺で生活するようになる前は、もともと水の中で生活していた魚類が進化したものである・・・考えれば、それこそ、みんな同じような仲間といえるかもしれない。しかし、どんな動物でも、物を食べなければ生きてはいけない。言い換えれば、生きるということは、喰べると言うことであり、その食べている魚も牛も黒マグロもクジラも、かっては同じような魚が進化してきた生物である。だから、生きてゆく上で、これは食べて良い動物や悪い動物などといったものがある訳がない。どんな動物だって食べられたくはないのである。日本では、私たちの世代のものは、仏教の教えに従って、食時の前には、手を合わせ「いただきます」食後にも「ご馳走様でした。ありがとうございます」と手を合わせて感謝していた。「いただきます」とは、「生きてゆくために、食べさせていただきます。」「食べることによって生かせていただきます」の意味である。そして、食べた後で、「有り難うございます」と、生きてゆくのが難しい中、同じように生きているものを食べさせていただいたことにより自分が生きながらえさせてもらえることへの感謝の気持ちを述べていたのである。世界中のいろいろな国で人間は、その地その地の生物を生きるが為に食べているのであり、何を食べるかは、その国の文化にかかわっている問題だが、最近は、自分たちが食べているものについては何もいわず、他の国が食べているものについてなにかと言ってくる人や国がある。象牙についても同様である。ゾウの残した象牙を有効に活用することには何の問題もあるわけではないが、ただ、それを商売や趣味のために、ゾウを乱獲することに問題があるだけであり、これは、日本が漁をしている黒マグロやクジラなどの漁獲に関しても同じこと。幸いドーハで行われていたワシントン条約締約国会議で大西洋・地中海産クロマグロの国際商業取引を原則禁止するモナコ提案が完全否決されたが、最近は、このような余り科学的な根拠に基づかない感情的なものや、自然保護の名目、又、非常に政治的な思惑などとも絡んで、問題にされていることが多くなったように感じられる。ただ、日本人の特異性と言うか、誰かが黒マグロと言うとみなが黒マグロ黒マグロと騒ぎ出し、世界での漁獲量の大半を日本人が食べているという。又、象牙の印鑑にしても、それがブームになると誰もが象牙の印鑑を所持するようになるなど、それは、私などから見ても少々気持ち悪い面が感じられるので、世界の他の国々の人から見れば少しは異常な国、異常な人種の集まりと見られているかもしれない。
最後なって少し、脱線したかもしれないが、以前に、このブログ4月28日「象の日」で、鎖国の時代、国際貿易の窓口であった長崎に、異国からの珍しい品々が次々に舶来したなかで、徳川8代将軍吉宗が珍しい動物の絵図をみて象が見たいと注文したが、象の飼いかたもわからないのに取り寄せられ、人間の好奇心や欲に翻弄され早死にした可愛そうな象の話のことを書いたことがある。又、「日本で飼育されたインドゾウ(野生)としては最高齢だった神戸市立王子動物園の諏訪子がなくなった日」のなかで、TBSラジオ「秋山ちえ子の談話室」で秋山ちえ子により朗読されていた『かわいそうな ぞう』の話も書いたことを紹介しておこう。
そして、今日は、最後の最後に、秋元康の小説作品及び、それを原作とした日本の映画『象の背中』のことを追加しておこう。原作のタイトルにもなった「象の背中」の由来は”死期の迫った象は群れを離れ、ひっそりと最期を迎える場所を探して旅立つ”という俗説からつけられたものだが、果たして人間にそんな潔い真似ができるだろうか?。突然、末期の肺がんで余命半年を宣告された48歳の主人公(主演:役所広司)は、残された時間をどう生きるかの選択を迫られ、苦悩の末、「死ぬまで生きる」決意をし、大切な人たちに見守られて逝く事を選ぶ。良い映画だ(以下参考の※:「goo-映画「象の背中」【2007年】」参照)。これをキャッチコピーに、アニメ作家でイラストレーターの城井文の描く象のキャラクターと、JULEPSの歌とで構成されたファンタジー・アニメーションも作成された。「JULEPS」の歌もなかなかいので是非以下で聞かれるとよい。
YouTube - 象の背中〜完全版〜(字幕付き)
http://www.youtube.com/watch?v=4NKvygbkdDI&feature=related
(冒頭に掲載の画像は、向かって左:ケニア南部ツァボ国立公園で、木の葉をむしり取るように食べるアフリカゾウ。右:牙で穴を掘るアフリカゾウである。アバデア国立公園で。朝日新聞2010年3月23日夕刊より)
象供養の日 (Ⅰ)へ戻る
参考:
※:象牙:輸出案否決 規制強化取り下げ ワシントン条約会議【毎日新聞 2010年3月22日】
http://mainichi.jp/life/today/news/20100323k0000m030068000c.html
※:環境と国際関係・アフリカ象の象牙取引とワシントン条約
http://www.kyoto-seika.ac.jp/tanter/2001_kkk/lec8.htm
※:野生生物保全論研究会(JWCS)
http://www.jwcs.org/
※:甲骨文
http://yupeihsu.at.infoseek.co.jp/syouten/kokotu.html
※:漢字物語 (45)「象」 長江北岸に生息していた
http://www.47news.jp/feature/47school/kanji/post_81.html
※:青空文庫:作家別作品リスト:No.81宮沢 賢治
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person81.html
※:今日の 気まぐれ英語慣用句
http://www.eigo21.com/etc/kimagure/z159.htm
※:ゾウの進化|川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10006055992.html
特別展『ゾウの仲間とその進化』(東海大学自然史博物館)
http://www.sizen.muse-tokai.jp/exhibit/ext/2007/elephant/index.html
※:林原自然科学博物館
http://www.hayashibara.co.jp/html/shinka/
※:goo-映画「象の背中」【2007年】
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD11469/index.html
象牙 - Wikiped
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%A1%E7%89%99
東京象牙美術工芸協同組合
http://www.tokyo-ivory.or.jp/
爲 - ウィクショナリー日本語版
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%88%B2
たのしい万葉集:第三巻 昔見し象の小川を今見れば
http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/three/m0316.html
大和の地名(3)喜佐谷
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f249e18a754d41b94e36eca4eb6455a5
生命の扉
http://www.wink.ac/~ogaoga/seimeiTOP.html
JULEPSのアーティスト情報- Yahoo!ミュージック
http://music.yahoo.co.jp/artist/dtl/AAA339306/
ワシントン条約/条約の全文(外務省サイト)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html
赤い竜 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E3%81%84%E7%AB%9C
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
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