今日のことあれこれと・・・

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牛丼チェーンの松屋が390円の牛丼を290円に値下げ。牛丼の値下げ戦争が激しくなる。

2013-09-27 | 歴史
牛丼(ぎゅうどん)は、薄く切った牛肉(切り落とし、小間切れなど)とタマネギなどを甘辛く煮込み、丼に盛った飯の上に載せた料理である。
その源流は、牛鍋にある。
1872(明治4)年明治天皇の獣肉解禁により肉食は大衆化してくる。その火ぶたを切ったのは「牛鍋」である。しかし、この牛鍋はご禁制のさなか、すでに大流行しており、1862年(文久2年)横浜入船町の居酒屋「伊勢熊」が店の半分を仕切り、日本初の牛鍋屋を開業したとされている(Wikipedia)。
また、牛肉愛好者として有名な福沢諭吉は、緒方洪庵適塾で学んでいたころから牛鍋屋に通っていたそうで、『福翁自伝』によると、幕末の大坂には牛鍋屋が2軒。「緒方の書生ばかりが得意の定客」と、牛肉と酒と飯でおなかがふくれた、安くて便利な牛鍋屋の様子が窺えるという(※1参照)。
「牛丼」は、その牛鍋をの飯にかけた料理が原型で、当時は「牛めし」と呼ばれ、明治時代に誕生した。牛めしというものは東京にはある。京阪にはない」(『国民之友』―明治30年2月)はこう報じているという(※2参照)。
当時日本橋にあった魚河岸に「吉野屋」という味で評判の牛丼屋があった「牛丼」の名称は、吉野家を1899(明治32)年に創業した松田栄吉が名付けたとされている。
吉野家の牛丼も同類の内容であり、当時は「牛鍋ぶっかけ」と呼ばれていたそうだ。具材は明治から大正時代は牛鍋と同様の時期が続いたが、客側の「特に牛肉とご飯を一緒に楽しみたい」という要望が高まり、それを追求・進化していった結果、現在に通じる「牛肉とご飯を一緒に楽しむ」ことに特化した内容へ変化していったという。
1973(昭和48)年から吉野家がファーストフードのひとつとしてフランチャイズチェーンを展開したことで、一般に親しまれるようになり、その後、養老乃瀧松屋すき家なか卯神戸らんぷ亭などが牛丼(牛めし)をチェーン展開した(「養老乃瀧」は後に牛丼からは撤退)。
47都道府県すべてに展開しているのはすき家と吉野家のみであり、この2社のみ店舗数が1000店を超えている。2000年代の一時期では、こういった状況やエリアごとの店舗分布や売り上げから考慮して、すき家と吉野家の「2強」時代と見る向きもあった。しかし2000年代後半以降に発生した価格競争に松屋も度々参戦したことから、すき家・吉野家・松屋の3社が「3強」「御三家」といった主要チェーンとして認識されている。
各チェーン店の牛丼販売価格は物価の上昇や景気の動向、そしてBSE問題によって値上げと値下げを繰り返してきた。とくに、値下げに関しては1社が先行して値下げを行うと他社も後から追随する構図が繰り返されている。その様子は牛丼#飲食店における牛丼価格の変遷を参照されるとよい。
大きく動き出したのは、1990年代に入ってからである。
1990年に吉野家は、並盛350円から400円に値上げ。
1995年1月に神戸らんぷ亭が牛どん(並)を290円に値下げ。しかし、同業他社は追随せず、吉野家は1996年7月から3回にわたって値上げを繰り返し、1998年3月には1994年時点の価格に戻る。
2000年(平成12年)に入ると、 7月に、神戸らんぷ亭が、持ち帰り牛どん(並)のみ400円を290円に値下げ。
松屋が同年8月に300店舗出店達成。それを記念して同年9月27日、牛めしの販売価格を値下げ(並390円→290円)。当初は期間限定の予定だったが好評だったこともあってそのまま継続販売となる。これにより、牛丼の値下げ戦争がその後激しくなる。
その後、度重なる期間限定値引きが繰り返されてきたことでその効果は薄れてきたとの指摘も出ているようだ。
現在は、並盛の通常価格は、すき家が280円で松屋も同額の280円、この2社が最安値で並んでいる。
私の住んでいるところには、すき家と松屋が道路を挟んで向かいどうしで競争しているが、吉野家がないので、昔は食べたことも何度かあるが、今は食べたことがないので内容や価格はよく知らない。すき家と松屋へは、たまに食べに行くが、今は、どちらかというとすき家の方が気に入っている。
吉野家の牛丼並盛は確か今年の4月までは380円だった。2社と比べると高く、肉も少なめだが、味を支持する人も多かったという。
その吉野家が、、4月18日に牛丼(並)を380円から280円に値下げした効果で客数が伸び、2013年5月の既存店売上高は、前年同月に比べて15.9%増と2か月連続で前年を上回り、「すき家」と「松屋」は、吉野家にお客を奪われたようで、売り上げを減らした・・・という(※3、※4参照)。
単に「牛丼」といっても、材料の牛肉の産地や質・味付け方法など、それぞれ異なるのだから、単に値段の違いだけでどこが良いとは簡単には言い切れないが、吉野家も競争上やむを得ず他の2社に価格を合わせているのだろう。
安倍政権になって以降デフレ脱却を旗印に円安によるインフレを誘導しており、ここにきて輸入物価の値上げが相次いでいる。このような状況下で、無理した安売り競争がいつまで続くのだろう。我々庶民にとっては、安いことはありがたいことなのだが、経営不振で、近くの店舗がなくなってしまうと困る。経営の合理化などにより、継続可能な適正価格の中で、出来るだけ安くいつまでも販売して欲しいものだ。
サラリーマンというより世の男性の昼食の定番といえば、今は安くてうまい牛丼のようだ。
「食」という観点からライフメディア(旧Webマーケティング支援サービス iMiネット※5参照)のアンケート登録メンバー 478,292名を対象に、日本人全体の嗜好を共有するため、「日本人の好きな料理」50品を調査(2011年7月29日から8月4日)すると、「日本人の好きな料理」1位は圧倒的ににぎり寿司で、2位には、カレーライス、3位ラーメンと続き、牛丼はなんとか50位以内(47位)に位置している状況の様だ(※6参照)。
しかし、リクルートが発行するフリーペーパーR25 (雑誌)』創刊に合わせてオープンしたウェブサイト『R25』が、まだまだ食べ盛りのR25世代の人気の食べ物は何なのか?、「おにぎりの具」「パン」「丼もの」…など、この世代「身近な食べ物についてR25世代の独身サラリーマン500人にBEST3をアンケートした結果(2010年.09月)、好きなおにぎり1位は「ツナマヨ」、丼1位は「牛丼」だったという(詳しくは※7参照)。
因みに、丼では、以下の通りであったそうだ。
1位 牛丼   597pt
2位 カツ丼  515pt
3位 天丼   326pt
4位 うな丼  316pt
5位 海鮮丼  252pt
R25世代とは、どんな世代かであるが、ウエブ「R25」公式ページの“そもそも「R25(アールニジュウゴ)」って?”には、「25才以上の男性ビジネスマン向けのフリーマガジン」とあり、「R25(アールニジュウゴ)誌名の由来は?」によれば、“「R25の「R」とはR指定、という言葉にあるようにリストリクト(Restrict:制限)という意味。つまり、R25とは18禁ならぬ25禁」とのこと。”とある。また、このアンケート調査でも“まだまだ食べ盛りのR25世代の独身サラリーを対象”とあるので、総合的にみれば、凡そ25歳以上35歳位までの若者を対象にしているものと思われる。
この調査の結果を見てみると、「より安く、手軽に食べられるものが好まれる」傾向にあるようだが、とりあえず、丼界の王者は牛丼・・ということになっている。
前民主党政権時代の野田首相が、「あまり外でご飯を食べると、SP(要人警護の警察官)がかわいそうなので、外に行かないようにしている」と語り、さらに「牛丼が好物なんだが、(牛丼チェーン店の)吉野家には今、入れないので、通信販売で『牛丼のもと』を首相公邸に取り寄せて食べている」と、“苦労話”を披露している報道があった(※8参照)。
彼は、1957(昭和32)年生まれだから、2012年当時はもう55歳、この年代の男性でも、牛丼が好き名男性は多いだろう。
特に近年、サラリーマンの男性は、給与も上がらず女房から、月のお小遣いもどんどん減らされているようであり、そんな可愛そうな男性にとって、安くて美味しく、そして腹も膨れる牛丼は非常に有難い昼食であろう。それに、最近は居酒屋でのちょっと一杯もままならない人は、牛丼店の、肉を肴にビールを飲んで我慢しているとの報道もあった。
今や牛丼チェーンは国民的な人気No1のファーストフード。美味しいのに、この安さ! 
相手が倒産するまでの潰しあいの競争ではなく、お互いが切磋琢磨して、双方の業績が上がって何時までも消費者に良きサービスを継続できるよう、良い意味での競争を期待している。

(冒頭の牛丼の画像はWikipediaより借用。)

参考:
※1:4. すき焼き<下 - にっぽん食 探見(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/shoku/040310.html
※2:キリン食生活文化研究所 - キリンホールディングス
http://www.kirinholdings.co.jp/csr/food-life/column/foodculture/24.html
※3:牛丼戦争、5月は吉野家に軍配 客数30%伸び、2カ月連続の売り上げ増
http://www.j-cast.com/2013/06/05176656.html?p=all
※4:吉野家、牛丼並を「常時」280円 現行価格から100円値下げ(外食チャンネル)
http://gaisyokuch.blog.fc2.com/blog-entry-1184.html
※5:Webマーケティング支援サービス iMiネット(イミネット) : 富士通
http://fenics.fujitsu.com/outsourcingservice/imi/
※6:日本人の好きな料理 JPN50選抜総選挙 | クチコミデータ
http://kuchikomi.lifemedia.jp/entertainment/jpn50_3.php
※7:好きなおにぎり1位は「ツナマヨ」、丼1位は「牛丼」 | web R25
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20100927-00003692-r25
※8:野田首相「牛丼が好物だが、外に食べに行くとSPがかわいそうなので、通販で『牛丼のもと』を買ってる」
http://blog.livedoor.jp/nico3q3q/archives/67723130.html
明治天皇が初めて牛肉を試食 - 今日のことあれこれと・・・
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/87589b52e3f6d2341a6832c911e1f94d
牛丼 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%9B%E4%B8%BC


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