2006(平成18)年の今日(7月15日)、33年ぶりにリメイクされた『日本沈没』が東宝系で上映された。
『日本沈没』は、1973(昭和48)年に刊行された小松左京による日本のSF小説で、第27回日本推理作家協会賞、第5回星雲賞日本長編部門も受賞している。物語は”地球物理学者である田所雄介博士は、地震の観測データから海底を走る奇妙な亀裂と乱泥流を発見し、一つの結論に達する。それは「日本列島は最悪の場合、2年以内に地殻変動で陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものだった。そして、各地で相次ぐ巨大地震。ほとんど動きがなかった休火山までが活動を始める。ズタズタに引き裂かれる日本列島で、死に物狂いで押し進められるD計画(日本国民と資産を海外へ脱出させる)。果たして日本は沈没してしまうのか? 日本人の運命は日本とともに沈没してしまうのか?”・・といったものであるが、この小説『日本沈没』がベストセラーになった背景には、高度経済成長が一段落し、1973(昭和48)年の狂乱物価とも言われたインフレ、石油ショックなどの社会不安があった。そうした風潮の中でノストラダムスブーム、終末ブーム、超能力ブームの一環として語られることも多い。同年東宝により映画化され、650万人を動員し、日本に一大センセーションを巻き起こし、パニック映画ブームの先駆けとなった。
今回2006(平成18)年にリメイクされた『日本沈没』は、TBSが製作費20億円を投じて製作された。2006年公開映画では国内興行順位第4位となる53億4000万円のヒットとなった。同年に韓国でも公開され、国内映画を抜いて興行成績1位となったという。
今回の映画は、阪神淡路大震災やスマトラ沖地震の脅威をもとに、最新の学説で日本沈没のシナリオを書いたという。
”異変は、駿河湾の大地震から始まる。被災地で少女を助けるハイパーレスキュー隊員(紫咲コウ)は、阪神大震災で両親を亡くしたとの設定である。ハイパーレスキュー隊は、1995(平成7)年1月の阪神・淡路大震災を教訓として、東京消防庁が19976(平成8)年12月に組織したものである。中高層ビルが途中の階で壊れる「中層破壊」も阪神・淡路大震災の経験を踏まえたものである。 全国各地を襲う地震や火山噴火のメカニズムは、最近の学説を引用しているという、「日本沈没」を科学的に監修した一人東京大学地震研究所の山岡耕春教授は中学時代に旧作を見て科学への関心をもったという。「100万年単位」で起きる動きを1年の設定にしたのは嘘だが、細かいところでリアリティを持たせた。阪神大震災を経て、災害が人に与える影響にも作品は焦点を当てているという。製作委員会の浜名一哉・TBSテレビ映像事業担当部長は、「33年前に比べ、近年の国内外の自然災害を見れば、災害は明日起こるかもしれないと思える。国も我々一人ひとりも、いかに、備えるかの警鐘の意味もこめた」と話している。(2006・7・15朝日新聞)・・・というが、最近のマスコミなどで国民が震災などに、どの程度備えをしているかなどを報じているのを見ていると、本当に、何の準備もしていない人が多いのには呆れる。つい最近あった能登半島地震から、3ヶ月が経過し、住宅再建のめどが立たないお年よりの困っている様子を報じていたのを見て、神戸で同じように震災に遭った身として、本当にご同情申しあげたい。しかし、地震が発生して避難しているときの避難民の行動やインタビューに答えている発言などを聞いていて、正直言って、少々腹立たしささえ感じた。これは、阪神・淡路大震災以降も「新潟県中越地震」など大きな地震が発生しているがいずれも同じで、地方自治体などハード面ではある程度阪神・淡路大震災の教訓を生かしているが、市民の防災意識などは、殆ど、感じられなかった点である。飲み水がないだの食料がないだの、電気やガスが使えないなどと市民が不満を言っているが、大災害が発生したときにはそんなことが起きるのは当然のことであり、それなりの準備をしておくべきであろう。我々は、水道が出るまでには1ヶ月以上も要した。それを2日や3日でぶつぶついっているが、他の地域で大きな災害があってもそれは、よそ事である、私達には災害は来ないといった甘い考えの人が今の日本人には多すぎるのではないか。
阪神・淡路大震災のような破壊力のある地震は、今まで、余りなかったが、実際には、明治以降だけでも震度 7 クラスの地震の強度は多少の推定も含めて少なくとも 数十年に一度はどこかで生じていることになるという。日本は戦後しばらく地震活動の静穏期に恵まれ、まさに地震災害に対する切実感が薄れていた。その間,新潟地震,十勝沖地震,宮城県沖地震,日本海中部地震,釧路沖地震,北海道南西沖地震など最大震度 6 、最大マグニチュード 8 程度の被害地震が起きてはいた。しかし、震源が比較的離れていたことが幸いし、液体化、津波などの被害は大きかったものの、震動そのものによる被害はそれほどでもなかっただけなのだという。
神戸の地震が内陸地震の原因となりうる震源地が近いものであったので、加速度の値だけでは表し得ない大きな破壊力を発揮したのである。それが、耐震に強いはずのビルまでも破壊し、我々の楽観主義を完膚なきまでに打ち砕いてしまったのだという。だから、自然災害に対する人間のおごりは全く通じないということを神戸の地震で学び取り、その教訓を肝に銘じて国も自治体も、業界団体も、そして、一般の市民も防災対策を講じておくべきである。何もせず、被害にあったからといって、泣き言ごとだけを言うべきではないだろう。以下参考の「阪神淡路大震災以降の地震工学の常識 中央大学教授 國生 剛治」参照。
また、先に述べた、「日本沈没」を科学的に監修した東京大学地震研究所の山岡耕春教授の「日本沈没」と地球科学や防災に関する質問を受け付け、「日本が沈むことはないのですか?」などといった質問などにも、わかりやすく親切に回答しているQ&Aコーナーがある。興味のある方は見られるとよい。
東京大学地震研究所 「日本沈没」と地球科学に関するQ&Aコーナー
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/filmnc06/eri_qa.html
(画像は、33年ぶりにリメークされた映画「日本沈没」のチラシ)
日本沈没 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B2%88%E6%B2%A1>
日本以外全部沈没 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A5%E5%A4%96%E5%85%A8%E9%83%A8%E6%B2%88%E6%B2%A1
goo 映画「日本沈没」(1973公開)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18161/
goo 映画「日本沈没 」(2006年7月15日公開)
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD9103/index.html
東京大学地震研究所 「日本沈没」と地球科学に関するQ&Aコーナー
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/filmnc06/eri_qa.html
作家別作品リスト:No.160作家名: 海野 十三 (うんのじゅうざ)
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person160.html
スマトラ島沖地震 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87
東京消防庁消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)について
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h16/h16/html/16250k20.html
研究成果: 破壊・脆弱性評価チーム
http://www.riken.go.jp/lab-www/frontier-div/NEWSLETTER/Aug2001/kubo_j.htm
asahi.com:「日本沈没」33年ぶり、大震災経験踏まえリメーク
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200607100160.html
阪神淡路大震災以降の地震工学の常識 中央大学教授 國生 剛治
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/randdev/f02_05_13_j.html
地震予知総合研究振興会
http://www.adep.or.jp/
地震予知連絡会
http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/ccephome.html
日本SFの始祖、海野十三
http://homepage3.nifty.com/nishimura_ya/sf/unno.htm
『日本沈没』は、1973(昭和48)年に刊行された小松左京による日本のSF小説で、第27回日本推理作家協会賞、第5回星雲賞日本長編部門も受賞している。物語は”地球物理学者である田所雄介博士は、地震の観測データから海底を走る奇妙な亀裂と乱泥流を発見し、一つの結論に達する。それは「日本列島は最悪の場合、2年以内に地殻変動で陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものだった。そして、各地で相次ぐ巨大地震。ほとんど動きがなかった休火山までが活動を始める。ズタズタに引き裂かれる日本列島で、死に物狂いで押し進められるD計画(日本国民と資産を海外へ脱出させる)。果たして日本は沈没してしまうのか? 日本人の運命は日本とともに沈没してしまうのか?”・・といったものであるが、この小説『日本沈没』がベストセラーになった背景には、高度経済成長が一段落し、1973(昭和48)年の狂乱物価とも言われたインフレ、石油ショックなどの社会不安があった。そうした風潮の中でノストラダムスブーム、終末ブーム、超能力ブームの一環として語られることも多い。同年東宝により映画化され、650万人を動員し、日本に一大センセーションを巻き起こし、パニック映画ブームの先駆けとなった。
今回2006(平成18)年にリメイクされた『日本沈没』は、TBSが製作費20億円を投じて製作された。2006年公開映画では国内興行順位第4位となる53億4000万円のヒットとなった。同年に韓国でも公開され、国内映画を抜いて興行成績1位となったという。
今回の映画は、阪神淡路大震災やスマトラ沖地震の脅威をもとに、最新の学説で日本沈没のシナリオを書いたという。
”異変は、駿河湾の大地震から始まる。被災地で少女を助けるハイパーレスキュー隊員(紫咲コウ)は、阪神大震災で両親を亡くしたとの設定である。ハイパーレスキュー隊は、1995(平成7)年1月の阪神・淡路大震災を教訓として、東京消防庁が19976(平成8)年12月に組織したものである。中高層ビルが途中の階で壊れる「中層破壊」も阪神・淡路大震災の経験を踏まえたものである。 全国各地を襲う地震や火山噴火のメカニズムは、最近の学説を引用しているという、「日本沈没」を科学的に監修した一人東京大学地震研究所の山岡耕春教授は中学時代に旧作を見て科学への関心をもったという。「100万年単位」で起きる動きを1年の設定にしたのは嘘だが、細かいところでリアリティを持たせた。阪神大震災を経て、災害が人に与える影響にも作品は焦点を当てているという。製作委員会の浜名一哉・TBSテレビ映像事業担当部長は、「33年前に比べ、近年の国内外の自然災害を見れば、災害は明日起こるかもしれないと思える。国も我々一人ひとりも、いかに、備えるかの警鐘の意味もこめた」と話している。(2006・7・15朝日新聞)・・・というが、最近のマスコミなどで国民が震災などに、どの程度備えをしているかなどを報じているのを見ていると、本当に、何の準備もしていない人が多いのには呆れる。つい最近あった能登半島地震から、3ヶ月が経過し、住宅再建のめどが立たないお年よりの困っている様子を報じていたのを見て、神戸で同じように震災に遭った身として、本当にご同情申しあげたい。しかし、地震が発生して避難しているときの避難民の行動やインタビューに答えている発言などを聞いていて、正直言って、少々腹立たしささえ感じた。これは、阪神・淡路大震災以降も「新潟県中越地震」など大きな地震が発生しているがいずれも同じで、地方自治体などハード面ではある程度阪神・淡路大震災の教訓を生かしているが、市民の防災意識などは、殆ど、感じられなかった点である。飲み水がないだの食料がないだの、電気やガスが使えないなどと市民が不満を言っているが、大災害が発生したときにはそんなことが起きるのは当然のことであり、それなりの準備をしておくべきであろう。我々は、水道が出るまでには1ヶ月以上も要した。それを2日や3日でぶつぶついっているが、他の地域で大きな災害があってもそれは、よそ事である、私達には災害は来ないといった甘い考えの人が今の日本人には多すぎるのではないか。
阪神・淡路大震災のような破壊力のある地震は、今まで、余りなかったが、実際には、明治以降だけでも震度 7 クラスの地震の強度は多少の推定も含めて少なくとも 数十年に一度はどこかで生じていることになるという。日本は戦後しばらく地震活動の静穏期に恵まれ、まさに地震災害に対する切実感が薄れていた。その間,新潟地震,十勝沖地震,宮城県沖地震,日本海中部地震,釧路沖地震,北海道南西沖地震など最大震度 6 、最大マグニチュード 8 程度の被害地震が起きてはいた。しかし、震源が比較的離れていたことが幸いし、液体化、津波などの被害は大きかったものの、震動そのものによる被害はそれほどでもなかっただけなのだという。
神戸の地震が内陸地震の原因となりうる震源地が近いものであったので、加速度の値だけでは表し得ない大きな破壊力を発揮したのである。それが、耐震に強いはずのビルまでも破壊し、我々の楽観主義を完膚なきまでに打ち砕いてしまったのだという。だから、自然災害に対する人間のおごりは全く通じないということを神戸の地震で学び取り、その教訓を肝に銘じて国も自治体も、業界団体も、そして、一般の市民も防災対策を講じておくべきである。何もせず、被害にあったからといって、泣き言ごとだけを言うべきではないだろう。以下参考の「阪神淡路大震災以降の地震工学の常識 中央大学教授 國生 剛治」参照。
また、先に述べた、「日本沈没」を科学的に監修した東京大学地震研究所の山岡耕春教授の「日本沈没」と地球科学や防災に関する質問を受け付け、「日本が沈むことはないのですか?」などといった質問などにも、わかりやすく親切に回答しているQ&Aコーナーがある。興味のある方は見られるとよい。
東京大学地震研究所 「日本沈没」と地球科学に関するQ&Aコーナー
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/filmnc06/eri_qa.html
(画像は、33年ぶりにリメークされた映画「日本沈没」のチラシ)
日本沈没 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B2%88%E6%B2%A1>
日本以外全部沈没 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A5%E5%A4%96%E5%85%A8%E9%83%A8%E6%B2%88%E6%B2%A1
goo 映画「日本沈没」(1973公開)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18161/
goo 映画「日本沈没 」(2006年7月15日公開)
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD9103/index.html
東京大学地震研究所 「日本沈没」と地球科学に関するQ&Aコーナー
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/filmnc06/eri_qa.html
作家別作品リスト:No.160作家名: 海野 十三 (うんのじゅうざ)
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person160.html
スマトラ島沖地震 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87
東京消防庁消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)について
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h16/h16/html/16250k20.html
研究成果: 破壊・脆弱性評価チーム
http://www.riken.go.jp/lab-www/frontier-div/NEWSLETTER/Aug2001/kubo_j.htm
asahi.com:「日本沈没」33年ぶり、大震災経験踏まえリメーク
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200607100160.html
阪神淡路大震災以降の地震工学の常識 中央大学教授 國生 剛治
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/randdev/f02_05_13_j.html
地震予知総合研究振興会
http://www.adep.or.jp/
地震予知連絡会
http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/ccephome.html
日本SFの始祖、海野十三
http://homepage3.nifty.com/nishimura_ya/sf/unno.htm
ストーリーそのものはそんなに評価はしていませんが、
若き日の由美かおるの美しさが、忘れることができないです。
夕映えの中で踊る、シルエットの美しい姿が目に焼きついています。
はい! それから、由美かおるの大ファンになりました(笑)
若いときの由美かおるは本当に可愛かったですね。