☆☆ゆきのおと Yuki's Note ♪☆☆

☆名越(なごや)左源太時敏の玄孫が綴る日々のあれこれや家族の歴史. 
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「4月19日 讃州多度津〜金比羅様へ」

2020-04-19 23:32:58 | 『都見物日記』

『都見物日記』(一)‥‥ ③

 目次がわりにこちらをどうぞ → 『【第2話】4月17日出帆〜4月23日大坂に2泊

 前日は安芸の御手洗というところで夜を明かした一行、ようやく旅の気分を味わえそうです。

(※ 画面左下「大崎下島」の御手洗港と思われます。画像追加:'20. 5.7)

 四・一九  雨。今日は四方眺めても少しも知れず、霧かかりて方角分からず候得共(ソウラエドモ) 朝より飯たべ皆々元気にて気分宜敷 実に嬉敷(ウレシキ)事。

一時頃には昼飯食べ 程無く讃岐近くに砂の瀬に乗りかかり、又ここに舟すわりして其(ソレ)から釣船通り掛り その舟に乗りて讃州多度津と申所へよき港有りてそこに着。豊瑞丸よりおいり(※「降り」の意)たる時が四時頃、陸に上りたる時が夕方にて、夫(ソレ)より金比羅様へ汽車に乗り 夜入りてからおいり、小提灯を皆々どし連合いの人数廿六人、其れに和田屋のすみばば、相良酒屋のばば、藤武殿など、鹿児島より知りたる人はそればかりに候得共、町人やら田舎人やら、子供よそもん一人、大人数連立ち賑々敷御参詣致し、何共(ナントモ)口には申されぬ実に実に実にの外候わず、数知れぬ程 石灯籠に火を点(トモ)し有り、金比羅様の下の両脇には色々乃店、女郎屋など有之(コレアリ)、女 出来(イデキタ)り ここにおはいりと早口にて 何が御座い、彼(カ)にが御座い、何がどしこ(=「どれだけ」の鹿児島方言)とお値段を云うて あきれて御母上様や皆々と大笑いして行き おもしろき事也 (※はブログ主による補足)

 帰りには虎屋と申(モウス)大茶屋へより飯たべ 一人前十五銭、チンと外に酒のみ致し候、 左甚五郎の細工、竹に虎、座に金網に入附(イレツケ)あり候、 内も実に実に大座敷にて感心乃事。夜十時頃になり、廿六名大勢 車にて浜近くまで帰り、其から舟をたのみて豊瑞丸をさして出候得共、又霧かかりて何処も方角しれず 小舟にて夜を明し せつなきとも何とも申様なく、皆々すわりながらにて大混雑 大笑い乃事。

 2日に渡る船旅の後、ようやく陸に上がり初めての汽車に乗っての金比羅参り。珍しいお店など眺め冷やかし、堪能した様子です。

そう言えば偶然にも先日のテレビ番組(→「家族に乾杯」)では金比羅様辺りが舞台でした!

江戸・明治時代からのお店も映っていましたが、「虎屋」って大茶屋は今どうなっているのでしょうか?

それにしても、小舟で夜を明かすものの「大混雑」で大笑いって、なんとも楽しそうですね

 

コメント
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