西京見物の最終日。夕方には京都停車場から汽車で東へ向かいます。
『都見物日記』(三)‥‥ ③ (※は、ゆきによる注釈です)
四・二七 今日も天気よし、嵐山の葉桜見物に行き、これは実に奇麗の事 天竜寺、西本願寺、東本願寺より宿屋(※三条小橋の亀屋)へ帰り、昼飯たべ、それよりちんちん先へ行く様に しまいいたす処に、尼の貞恩さんにちょっと御目にかかり、お互におやおやと云(イウ)て驚き御物語などいたし、おたばこなど差上候、短尺(タンジャク)二つ給わり候事。程なく此宿(※三条小橋の亀屋)より出立(デタチ)、京都停車場まで車にて行き、五時頃に汽車にのり 珍らしき処ばかりながめ候 近江の湖水 又は むかで山、勢田の唐橋 いろいろと眺め、つげ(柘植)と申所へ夜八時に着せり。亀屋というやどやへ付(ツキ)、めしたべ 十時頃に寝候也。
この日記を読むまでは「勢田の唐橋」を知らなかったので、まず電子辞書で確認すると、
「瀬田の唐橋」‥‥ (その様式が唐風だからいう)「瀬田の橋」の別称。‥‥ と、ありました。
「瀬田の橋」‥‥ 滋賀県瀬田川に架かる橋。大津市瀬田橋本町から、同市鳥居川町に通ずる。関東から京都への入口に当り、古来、京都を守る要衝。宇治・山崎の橋と共に有名。瀬田の唐橋。瀬田の長橋。
※ 画像を追加しました('20. 5.8)
上部画像で建部神社の横に「瀬田」と小さく表記があります。建部神社前の道路が瀬田の唐橋でしょうか。
下の画像では「いしやまでら」のひとつ手前に「からはしまえ」とあります。
「松原国道」の表記の右側にあるのが唐橋かな?
『都見物日記』とは直接関係ありませんが、町田久成が剃髪し晩年僧正として仏事に精進した「三井寺 光浄院」があるのは大津市のこの辺りなのですね