本日の新聞・テレビは事業仕訳が終わったことや削減できた金額について報道されていました。
辛口のブロガーさんのブログを読んでいたら、事業仕訳に厳しいので、民主党からお誘いがあって事業仕訳会場に行ってきたという記事がありました。
実際に見てみると報道で言われているように激しいものではなく、淡々と作業が進んでいたことが述べられ、予算の作成過程を国民に公表したことに意義があるのではとも書かれていました。
褒めるだけで終わっておらず、仕訳人の踏み込みが甘い事業があったことなども書かれていましたが、実際に作業を目の当たりにしてだいぶ印象が違ったようでした。
ここで教訓とすべきは、幅広い知識を持ち、常に情報収集をしている方でも「一見」が大きかったこと。
パソコンの前に座ればほとんどの情報を取れるようになったと言われていますが、実際現場に行き、五感で感じた情報にはまだまだ勝てないだろうこと。
もちろん、この例だけでは言えないですが、いまのところ自明だと思います。
しかし、もし現場に行かないと本当のことがわからないと考えてしまうと限られた情報では意思決定ができなくなってしまいます。
それではスピードが落ちてしまいます。
では、どうすべきか?
1 メディアの報道をそのまま信じないこと。でも価値なしとも思わないこと。
できるだけ複数メディアの情報を眺め、情報を結合する。メディアの特性・傾向の違いがありますので、違いを拾ってそこから全体を見るよう努力してみる。大きな記事より、小さい記事に意味があるかもしれません。
2 一部の意見に過剰に反応し、結論づけず、落ち着いて考えること。
時間が経てば違う考え方も出てくるし、他の方の意見も聞けます。・・とにかく急ぎたがる自分が、一番注意しないといけないことだと思います。
3 判断できる感を磨いておくこと。
今回の事業仕訳について、予算が作成される過程は(国ではありませんが、地方もかなり似ています)、よくわかりますし、日頃から問題意識を持っている分野ですので、見ていなくてもある程度様子がわかりました。
(わかっているから単純に事業仕訳にマルバツはつけられないというところもありますが・・→もっとも何事も単純にマルバツ、善悪と言えることは少ないと考える方です)
仕事に関連することは、仕事を極めて専門性を高め、仕事以外のことは常日頃から知識を増やしておいて、いざという時にそれを総動員して考える(理想的だけどできないかも)。
4 情報を発信する側になった時は、できるだけ情報を発信すること。
兎角情報は出さないで良しと考えがちですが、断片的な情報でかえって誤解が生じるなら、どんどん出してしまう。
そのほかいろいろあると思いますが、自分の能力にあわせて自分なりに「現場に行かずに真実を見る代替手段」を見つけないといけないですね。
これからさらに社会が複雑になって情報量が増えるでしょうから、直接見て判断することがますます困難になります。
「一見」に代わる方法を自分でどう作っていくか。
自分が望んだ道を選べるか否かは、社会で起こっていることの真の姿や意味を見極める精度の高いツールを持っているかどうかも大事な要素だと思います。