小川糸さんの「ツバキ文具店」の続編。
「ツバキ文具店」同様、大人気。図書館5ヶ月待ちでようやく順番が回ってきました。
前作「ツバキ文具店」は代書屋の話が中心で、代書を頼みに来る人々の生きざまを覗き見るよう、
またそれに主人公鳩子がどのような字体でどのような内容の手紙を書くのか興味が沸きました。
代書屋という仕事があることも知らなかった私は、とても新鮮な気持ちで引き込まれました。
そして誰かにお手紙を書きたくなったものです。
現に旅先で知り合った高校の大先輩である方に書こう、書こうと思いながら延び延びになっていたお便りを、
一気に書き上げる気になり、後押しをしてもらった気がします。
「ツバキ文具店」の私の読後感はこちらをどうぞ。→「お手紙が書きたくなりました」
舞台は鎌倉。最初のページに鎌倉の地図が描かれ、読みながら時折その地図で場所を確認、
情景を思い描きながら読み進むことができリアル感がありました。
今回は代書屋としての鳩子ではなく、QPちゃんのパパ「ミツロー」さんと結婚した鳩子の物語。
ポッポちゃんこと鳩子がいきなり一児の母となり、事故で妻を亡くした男の妻となる。
新しい家庭を築き上げるまでの心の葛藤、優しさ、にじみ出てくる母性愛。
ミツローさんの亡くなった妻「美雪」さんへの鳩子自らの手紙には胸にこみ上げるものがありました。
鳩子の気持ち全てに共感。「鳩子頑張れ!」って応援したくなりました。
ただ少し残念だったのは、前作を読んでいない方には理解しがたい部分があったのではないかということ。
そしてもう少し代書屋としてのストーリーもあってよかったのではないかということ。
鳩子の代書がもっと見たかった、読みたかった。
このお話はこのまま終わってはいけないと思っています。
鳩子の守景家を取り囲む人たちのこれからの人生はどのように展開していくのでしょうか。
また結婚し家庭を築いた鳩子の代書はどのように変化していくのでしょうか。
きっとこの作品にはまたまた続編が出るのではと期待しています。
それを望みたくなるような終わり方でした。
今回は読書の備忘録にて、コメント欄を閉じております。