昨年暮れより浅田次郎の「蒼穹の昴」の続きともいえる「中原の虹」を読んでいました。
これがまた「蒼穹の昴」同様、なかなか読み進めない。
4巻のうち、ようやく今2巻目。そこへ飛び込んできたのが昨年2月に予約をしていたこの本。
1年間待ちました。もちろん私の後にも沢山の予約者がずらりと待っています。
「中原の虹」はKindle版で購入、いつでも読めますので、いったんお休み。
「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ著
2019年の本屋大賞を受賞した本です。
難しい本(中原の虹)を読んでいたので、何とも信じられない速さですらすらと読み進みました。
複雑な境遇に育つ女子高校生の話ですが、決して重くなく、優しい気持ちで読むことができます。
2人の母と3人の父親に育てられる主人公優子。姓も3回も変わるという複雑な環境です。
しかし優子の逞しさと順応性、明るさ、彼女を取り巻く人々の違った形の個性的ともいえる愛を感じ、
読んでいてほっこりするものがありました。
親になるということはどういうことなのか、家族とは何かをライトに考えさせられるストーリーです。
やや現実離れした筋書きもありますが、そこはフィクション、素直に読んでいけば面白い小説です。
最終章は優子の最後(3番目)の父親「森宮さん」の目線で語られています。
東大出身、やや変わり者の彼ですが、私は優子ではなく彼がこの小説の主人公に思えます。
優子の結婚式の場面、生きている親が全員揃い、彼女を祝福。その光景に涙がこぼれました。
私、小説を読んでまだ泣ける!感受性衰えていないな~。まだ若いと思った昨夜でした(苦笑)。