前回の続きですo(^-^)o
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「お、お助けぇぇ」
弱々しい声は、想像したものとはかけ離れていて、オレは思わず構えを解いた。
「...『明かりよ(ライティング)』」
剣先に明かりを灯して、オレは改めて辺りを見回した。
「!」
後ろから入ってきたレオナが驚きの声を上げた。
「あなたたちは...っ」
そこに居たのは十数人の縛り上げられた人々。若者から中年の男たち。
どう見てもそれは消えた町民たちだった。
近くに武器は無い。取り上げられたのだろう。
扉の中は思ったよりも小さな部屋で、男たちは皆窮屈そうに見えた。
突然の来訪者に、全員恐怖に怯えた顔をしてある。
「...な、何者だ?」
その中で年長とおぼしき男が声を上げる。
「皆さん近くの町の人々ですね...?ゼノンさんに雇われて、あなた方を助けに来ました」
改まって声をかけると、その場の全員が表情を明るくした。
「それはありがたい...!」
「ああ、神よ...っ」
「喜ぶのは早いです。今縄を解きますから、早く安全な場所へ逃げましょう」
オレとレオナは手近な人から縄を解き始めた。何人かは猿ぐつわを噛まされている。術で逃げられないようにだろう。
「レオナ、向こうに何か合図を送ってくれ」
「合図?」
「何かでっかい音が鳴る呪文とか...」
「うーん...分かった」
ちゅどーん!
とんでもない音がして、オレは思わず目を見開いた。
「レオナ!?」
「てへ、ちょっとやり過ぎちゃった...かな?」
笑顔に一筋冷や汗を垂らして、レオナがあははと乾いた笑いを見せる。
一体何の術を使ったのやら...あまり聞きたくない。
「今ので敵にも気付かれたかもしれないな...」
「う...ごめんなさい」
「まあ良い、どっちにしろ合図にはなっただろ。一旦ここから逃げよう!」
「待ってくれ!!」
ずるべしゃっ
駆け出そうとした所で呼び止められて、オレは勢い余ってその場につんのめって倒れた。
「....なんだよ?」したたか打った腕を擦りながら立ち上がる。
「オレの息子がどこかにいるはずなんだ!」
「はあ!?」
「何人か若い衆が私たちから引き離されてな...」
沈痛な面持ちで話す年長の男。
「そうか...」
「どうか息子も助けて欲しい...!」
「当たり前じゃないですか!」
やけに熱い声が背後から響いて、オレは唇が勝手に綻んだ。
「フィリップ!」
「私たちもいるわよ」
「勿論息子さん方も見付け出します!そして必ずや悪を叩き潰します!!」
勢い良くガッツポーズをしたフィルに、ルーナが肩を竦めてみせた。
「ゼノンさん、どうしてここに...」
町の人々がゼノンを見付けて目を見開いた。
「すみません、皆さんが心配で...」
「ここは危ねぇですよっ!狂った魔道士がオレたちを閉じ込めて...」
一人の町民の若い男が、声を震わせた。
「狂った魔道士?それはどんな奴なの!?」
ルーナがその言葉に反応すると、その場にいた全員が身を震わせた。
唐突に、嫌な予感がしてオレはその場から飛び退いた。そして横に居たレオナを突き飛ばす。
「きゃっ!」
シュカカカッ
つい先ほどまでオレたちが居たその場所に、どこからともなく鋭い刃物が突き立った。
「『狂った魔道士』とは、私の事かな?」
続く
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ようやく人間っぽい敵の登場です!
次回に続きます(^_^)v
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「お、お助けぇぇ」
弱々しい声は、想像したものとはかけ離れていて、オレは思わず構えを解いた。
「...『明かりよ(ライティング)』」
剣先に明かりを灯して、オレは改めて辺りを見回した。
「!」
後ろから入ってきたレオナが驚きの声を上げた。
「あなたたちは...っ」
そこに居たのは十数人の縛り上げられた人々。若者から中年の男たち。
どう見てもそれは消えた町民たちだった。
近くに武器は無い。取り上げられたのだろう。
扉の中は思ったよりも小さな部屋で、男たちは皆窮屈そうに見えた。
突然の来訪者に、全員恐怖に怯えた顔をしてある。
「...な、何者だ?」
その中で年長とおぼしき男が声を上げる。
「皆さん近くの町の人々ですね...?ゼノンさんに雇われて、あなた方を助けに来ました」
改まって声をかけると、その場の全員が表情を明るくした。
「それはありがたい...!」
「ああ、神よ...っ」
「喜ぶのは早いです。今縄を解きますから、早く安全な場所へ逃げましょう」
オレとレオナは手近な人から縄を解き始めた。何人かは猿ぐつわを噛まされている。術で逃げられないようにだろう。
「レオナ、向こうに何か合図を送ってくれ」
「合図?」
「何かでっかい音が鳴る呪文とか...」
「うーん...分かった」
ちゅどーん!
とんでもない音がして、オレは思わず目を見開いた。
「レオナ!?」
「てへ、ちょっとやり過ぎちゃった...かな?」
笑顔に一筋冷や汗を垂らして、レオナがあははと乾いた笑いを見せる。
一体何の術を使ったのやら...あまり聞きたくない。
「今ので敵にも気付かれたかもしれないな...」
「う...ごめんなさい」
「まあ良い、どっちにしろ合図にはなっただろ。一旦ここから逃げよう!」
「待ってくれ!!」
ずるべしゃっ
駆け出そうとした所で呼び止められて、オレは勢い余ってその場につんのめって倒れた。
「....なんだよ?」したたか打った腕を擦りながら立ち上がる。
「オレの息子がどこかにいるはずなんだ!」
「はあ!?」
「何人か若い衆が私たちから引き離されてな...」
沈痛な面持ちで話す年長の男。
「そうか...」
「どうか息子も助けて欲しい...!」
「当たり前じゃないですか!」
やけに熱い声が背後から響いて、オレは唇が勝手に綻んだ。
「フィリップ!」
「私たちもいるわよ」
「勿論息子さん方も見付け出します!そして必ずや悪を叩き潰します!!」
勢い良くガッツポーズをしたフィルに、ルーナが肩を竦めてみせた。
「ゼノンさん、どうしてここに...」
町の人々がゼノンを見付けて目を見開いた。
「すみません、皆さんが心配で...」
「ここは危ねぇですよっ!狂った魔道士がオレたちを閉じ込めて...」
一人の町民の若い男が、声を震わせた。
「狂った魔道士?それはどんな奴なの!?」
ルーナがその言葉に反応すると、その場にいた全員が身を震わせた。
唐突に、嫌な予感がしてオレはその場から飛び退いた。そして横に居たレオナを突き飛ばす。
「きゃっ!」
シュカカカッ
つい先ほどまでオレたちが居たその場所に、どこからともなく鋭い刃物が突き立った。
「『狂った魔道士』とは、私の事かな?」
続く
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ようやく人間っぽい敵の登場です!
次回に続きます(^_^)v