注意!こちらはゼロス×シルフィールのカップリング小説です。妄想とねつ造に溢れていますので、苦手な方はお戻り下さい。
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どごおおおん。
轟音とともに、赫い光が乱反射する爆発が起きた。
──至近距離からの竜破斬(ドラグスレイブ)。
これが私の秘策だった。彼は私がこの術を使えることは知らなかったはずだから。
爆発による衝撃で、魔法障壁で守られていた私も突き飛ばされるように尻餅をついた。
まともに喰らったら、下級魔族なら一溜まりもない術。純魔族でもただではすまないはず......。
しかし、そんな私の希望的観測をあざ笑うように、彼は私の前に立っていた。何事も無かったように。
「......!」
「いやあ、驚きましたよ。まさか、シャブラニグドゥ様の術を使うとは。...しかもあなたが」
いつものように淡々と、ゼロスは話す。
「僕もまともに喰らうのはちょっと痛いので、避けさせて頂きましたよ」
にこり。その笑顔が恐ろしくて、ぞわりと鳥肌が立つ。
「で、どうなんです? 僕と不死の契約しないんですか?」
「......っ!」
ぎり、と奥歯を噛み締めた。
不死の契約など、するものか。
そんな契約をしたとして、サイラーグが護られる保証は何もない。そして、私は彼と同じ側に堕ちるのだ。
──そんなの......耐えられるはずが、ない。
「お断りしますわ!」
きっ、と睨み付けると、ゼロスは肩をすくめた。
「おお怖い。強情ですねえシルフィールさん。......サイラーグがどうなっても良いって言うんですか?」
「逆です」
「?」
「サイラーグは、私が死んでも必ず守る!そのために、信用出来ない魔族との契約など出来ません」
彼はしばし黙ると、笑った。
「......愛してるんですねえ、サイラーグを」
鼻で笑うように、理解出来ないとでも言うように彼は言う。
「当然です。それを分からないなら
、あなたは可哀想だわ」
「......僕と戦うんですか?勝つ見込みも無いのに?」
魔族と人間の力の差。それは猛獣と虫けらぐらい違う。
──でも、だからどうしたと言うのだ。
「ええ、あなたが私の前に立ちふさがると言うのなら」
勝つつもりで戦う。そのつもりで、私は彼を睨んだ。
「......面白い。あなたは本当に面白い」
嬉しそうに笑いながら、ゼロスは目を見開いた。
少しばかりの沈黙。私は彼から走って距離を取り、その場で身構えた。
口の中で防御呪文をつぶやく。頭の中で戦術を組み立てる。どうやって不意をつくか。それが勝負を決する。
いや、いざとなったら隙を見て......
その時。
ゼロスは私の目の前にいた。空間を渡ったのだろう、至近距離から私を見下ろす。
──速い!
「......っ」
目前に迫る濃厚な死の臭い。
その場から逃げ出そうと咄嗟に動いた足を、彼は掴んでいた。
「あっ......」
勢いよく転んでしまう。
「はい、捕まえた♪」
思いの外強い力に、足はびくともしない。私はその場に座ったまま縫いつけられてしまった。
「......ねえ、シルフィールさん」
彼は空いている方の手をひらひらさせてから、私の唇に人差し指を押しつけた。
「......?」
「僕、結構本気であなたの事気に入ってるんですよね。だから、このままさっさと殺してしまうのは勿体無くて」
「......」
さらりと物騒な言葉を口にして、彼は微笑む。
「......こちら側に、堕ちるあなたを見たい」
「そんなの、嫌、ですわ」
知らず声が震える。
「堕として差し上げましょう。必ず」
にこり。
そう笑って、彼は私の神官服の胸元から、宝珠を一つむしり取った。
「っ!?」
「サイラーグ土産に、これ貰っておきますね」
「......は?」
「それじゃ、またどこかで」
ぱちり。
まばたき一つ分の間に、彼は消えていた。
その場に残された私は、ただ座っていることしか出来なかった。
続く
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次回に続きますっ!
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どごおおおん。
轟音とともに、赫い光が乱反射する爆発が起きた。
──至近距離からの竜破斬(ドラグスレイブ)。
これが私の秘策だった。彼は私がこの術を使えることは知らなかったはずだから。
爆発による衝撃で、魔法障壁で守られていた私も突き飛ばされるように尻餅をついた。
まともに喰らったら、下級魔族なら一溜まりもない術。純魔族でもただではすまないはず......。
しかし、そんな私の希望的観測をあざ笑うように、彼は私の前に立っていた。何事も無かったように。
「......!」
「いやあ、驚きましたよ。まさか、シャブラニグドゥ様の術を使うとは。...しかもあなたが」
いつものように淡々と、ゼロスは話す。
「僕もまともに喰らうのはちょっと痛いので、避けさせて頂きましたよ」
にこり。その笑顔が恐ろしくて、ぞわりと鳥肌が立つ。
「で、どうなんです? 僕と不死の契約しないんですか?」
「......っ!」
ぎり、と奥歯を噛み締めた。
不死の契約など、するものか。
そんな契約をしたとして、サイラーグが護られる保証は何もない。そして、私は彼と同じ側に堕ちるのだ。
──そんなの......耐えられるはずが、ない。
「お断りしますわ!」
きっ、と睨み付けると、ゼロスは肩をすくめた。
「おお怖い。強情ですねえシルフィールさん。......サイラーグがどうなっても良いって言うんですか?」
「逆です」
「?」
「サイラーグは、私が死んでも必ず守る!そのために、信用出来ない魔族との契約など出来ません」
彼はしばし黙ると、笑った。
「......愛してるんですねえ、サイラーグを」
鼻で笑うように、理解出来ないとでも言うように彼は言う。
「当然です。それを分からないなら
、あなたは可哀想だわ」
「......僕と戦うんですか?勝つ見込みも無いのに?」
魔族と人間の力の差。それは猛獣と虫けらぐらい違う。
──でも、だからどうしたと言うのだ。
「ええ、あなたが私の前に立ちふさがると言うのなら」
勝つつもりで戦う。そのつもりで、私は彼を睨んだ。
「......面白い。あなたは本当に面白い」
嬉しそうに笑いながら、ゼロスは目を見開いた。
少しばかりの沈黙。私は彼から走って距離を取り、その場で身構えた。
口の中で防御呪文をつぶやく。頭の中で戦術を組み立てる。どうやって不意をつくか。それが勝負を決する。
いや、いざとなったら隙を見て......
その時。
ゼロスは私の目の前にいた。空間を渡ったのだろう、至近距離から私を見下ろす。
──速い!
「......っ」
目前に迫る濃厚な死の臭い。
その場から逃げ出そうと咄嗟に動いた足を、彼は掴んでいた。
「あっ......」
勢いよく転んでしまう。
「はい、捕まえた♪」
思いの外強い力に、足はびくともしない。私はその場に座ったまま縫いつけられてしまった。
「......ねえ、シルフィールさん」
彼は空いている方の手をひらひらさせてから、私の唇に人差し指を押しつけた。
「......?」
「僕、結構本気であなたの事気に入ってるんですよね。だから、このままさっさと殺してしまうのは勿体無くて」
「......」
さらりと物騒な言葉を口にして、彼は微笑む。
「......こちら側に、堕ちるあなたを見たい」
「そんなの、嫌、ですわ」
知らず声が震える。
「堕として差し上げましょう。必ず」
にこり。
そう笑って、彼は私の神官服の胸元から、宝珠を一つむしり取った。
「っ!?」
「サイラーグ土産に、これ貰っておきますね」
「......は?」
「それじゃ、またどこかで」
ぱちり。
まばたき一つ分の間に、彼は消えていた。
その場に残された私は、ただ座っていることしか出来なかった。
続く
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次回に続きますっ!