ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

幸せの重さ(ガウリナ)

2010-05-15 01:35:10 | 頂きもの
これは、前のブログの時に素敵ガウリナサイト「妖言」の櫟 弓子様のリクエスト企画に便乗させていただいて、「甘らぶなガウリナ」をリクエストして頂いたものです。
櫟 弓子様、素敵な作品を本当にどうもありがとうございました!!

・・・そんなわけで、追記から甘らぶガウリナ「幸せの重さ」であります!
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じりじりと、空に浮かぶ太陽が、容赦なく大地を焦がしていた。
 やっと秋らしくなってきたかと思えば、これだ。
 今日は、また夏にでも逆戻りしたのかと思うくらい、暑かった。
 リナはパタパタと、顔を手で扇ぐ。

「暑いわね~」
「本当だな」

 隣で頷くガウリイの腕にも、じわりと汗が吹き出している。

「ああ、もう限界!! 休憩するわよ!!」

 そう言って、リナは街道を脇に逸れる。
 側に立っていた大木の下までくると、気持ち良さそうに伸びをした。
 ガウリイも、その後に続く。
 陽射しは厳しいが、陰に入ると驚くほど涼しかった。
 ここが、夏とは違うところだろうか。
 リナはマントを外し、ガウリイも剣を手の届く場所に置くと、ごろりとその場で横になった。

「リナ」

 声をかけると、リナと目が合う。
 ガウリイは自分の隣を、ぽんぽんと手で叩いた。

「・・・・・・」

 リナは、険しい視線でガウリイのことを睨み付ける。

「あのね、あんた剣士でしょ? そんな緊張感なくていいと思ってるの?」

 ぶつくさと文句を言いながら、リナはガウリイの側までくる。

「いいじゃないか。危ない感じも、特にないし」
「なにがいつ起こるか分からないでしょ。そう言うのは、楽観的って言うんじゃなくて、無謀って言うのよ」

 表情は厳しいまま、リナはガウリイの隣に寝転んだ。
 伸ばされた左腕に、頭を預ける。

「・・・・・・腕痺れても、知らないからね」
「大丈夫だって」

 笑いながら、ガウリイは空を見上げた。
 木々の間から、青い空が覗いている。
 夏に戻ったみたいな今日でも、空は秋のもので、季節の移ろいにガウリイは目を細めた。

「あっ、リナ、あの雲・・・」
「? どれ?」
「なんか、ゼルみたいじゃないか?」
「え~? どれよ?」

 面白そうに声を上げて、リナがガウリイの指差す方向を見る。

「あれあれ」
「だから、どれ?」
「だから、あれだってば」

 目を凝らし、もっと良く見ようと、リナがガウリイに近付いた、その時、

「きゃあ!!」

 リナが悲鳴を上げる。
 空を差していたガウリイの腕が、そのままリナを抱え込むようにして閉じ込めた。
 吐息が顔にかかるくらいの至近距離で、ガウリイがリナの瞳を覗き込んでいる。

「騙したの・・・?」

 険悪な表情を浮かべるリナに、ガウリイは悪びれもせずに口を開いた。

「だってリナ、すぐ逃げようとするじゃないか。オレはもっと、リナの近くにいたいのに」

 さらりとそんなことを言われて、リナはカァァッと顔を赤らめる。

「・・・・・・す、少しの間、だけだからね」
「おう」

 リナの態度に、ガウリイはくすくすと肩を震わせて笑うと、リナの身体を抱き締めた。


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