猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

「言葉」と「会話」の難しさ

2005年12月14日 03時13分10秒 | ぶ~すか言ってやる!
先日の、「印象バトン-ゴンザバージョン-」で、ゴンザは私と出会った頃の印象に、「会話が上手」と書いてくれた。
が、私は会話というものを非常に苦手としているということを、ここで言わないわけにはいくまい。
実は、対人恐怖症で、思うように気の利いた言葉が出てこず、話したいことを頭の中でぐるぐる回して会話をしているうちに、自分が何を言わんとしていたのかわからなくなり、いつも空回りで終わってしまうということを.....。

そして、その反動が、ここで言葉をこねくり回し、書き散らかす行為に代わっているのだということも、お詫びかたがた言っておく必要がある。
そして。
それもやはり思うようにいかなくて、自分が好き勝手に書いている文の真意がどこにあるのか、自分でもよくわかっていないのだということも.....。

複雑な言語である日本語は、よ~く気をつけて扱わねばならない、危険な両刃の剣のようなものだから、人は皆、毎日を生きていくうちに、人の言葉に傷つき、傷つけ、それが危険なものだと気付いてゆくのである。

実は。
私の母は、人を傷つける言葉ばかりを使う。
「私は人を傷つけるような人間が大嫌いだ」
と言いながら、平気で家族を傷つけてゆく。
だから私は、自分が傷ついたぶん、言葉を恐れ、慎重にならざるを得ない。
弾丸のようにしゃべりまくりながら、言葉を書き散らかしながら、その実、言葉に、会話に怯えているのだ。

昨年のこと。
祖母を温泉へ連れて行こうと、妹と共に下調べをし、母と弟とゴンザを誘って旅行に行った。
吟味に吟味を重ねて選んだ宿は、素晴らしいサービスを提供してくれ、その驚くような値段の手軽さと共に、みんな大満足のはずだった。
しかし、旅行から帰って数ヵ月後。
母はこんなことを言い出した。
「このあいだTVで見たんだけど、今は安くて料理もいいホテルがいっぱいあるんだね。お前らが探してきたホテルなんかより全然そっちのほうがよかったよ。あそこは別に、それほど良くもなかったよ」
と。

私は、
「人が一生懸命探してきたものを、そんな言い方するもんじゃないよ」
と、言ったけれど、彼女がそれを理解する事はきっと一生ないだろう。
そして、私が彼女の意見を聞き入れることも。
しかし。
もしその母の言った事と同じ意のことを、違う言葉で言われたならどうだろう。
「あの時は楽しかったね。宿も良かったし、食事も美味しかったし。ああ、そういえば、この間TVで見たんだけど、他にも良い宿がいっぱい出てたよ。この間の宿も良かったけど、また趣向を変えて、そっちの方に行ってみるのも面白そうじゃない?」

上の文と下の文。
意味はほとんど同じなのに、聞く者が受ける印象は全然違う。
言葉とは.....そんなものである。
だから私はそれを恐れ、それを愛し、それに対する興味をかきたてられ、憧れ、身の程も知らずに書き散らかし、しゃべりまくるのだと思う。
そこにまた、誰かを傷つけている可能性があるのかもしれないと慄きながら。

けれど。
言葉には、危険が伴いながらも人を魅了してやまない奥深さもある。
だから.....。
以前書いた「そのひと言で救われる」ではないが、逆に、そのひと言が、誰かを、何かを壊してしまう可能性もあるのだということを肝に銘じながらも、人は言葉に向き合っていかねばならないのである。
皆.....一人では生きてゆけないから。

ま、要は私が小心者だって話なんだけどね。

¥190のフグ

2005年12月14日 00時24分59秒 | 今日のお弁当
いつもは高い値段で売られている食材が激安だったりすると、「まさか、何か裏の事情が!?」と疑ってしまうのが、人情というものである。それには、その食材が賞味期限ギリギリであるとか、発売したはいいものの、評判が悪くて多量に売れ残った商品だとか、様々な要因が考えられるのだが、近年は「輸入物」であることだけが、激安の秘密だったりするので、なかなかに見極めが難しい。しかも、野菜に限って言えば、中国産などは農薬が心配で手が出せないのが現実。少しの例外を除いて、国産ものを使うのが我が家の原則となっているということから考えると、輸入物の利点を生かせるのは、魚介類が中心、ということになる。中でも、うに、からすみなどは、我が家ではパスタなどに大活躍の食材であるのだが.....。

で、今日のお弁当。

<フグのから揚げ><大根と豚肉の旬寒鍋><春菊となめこのからし醤油和え> です。

<フグのから揚げ>
*フグの中骨を取り除き、ひと口大に切る。醤油、砂糖、みりん、おろしショウガ、おろしにんにくを合わせたものにフグの身を漬け、15分ほどおく。下味の付いたフグに、小麦粉、片栗粉を半々にあわせたものをまぶし、油で揚げる。
<大根と豚肉の旬寒鍋>
*大根は7-8ミリ厚さのいちょう切りにし、春雨はお湯で戻しておく。鍋にダシ昆布、大根を入れ、かぶるぐらいの水を注ぐ。沸騰したら、豚肉(今回は豚しゃぶ用の肉を使用だが、バラ肉スライスが理想的)を加え、塩、醤油、みりんで薄めに味を調える。戻して適度な大きさに切った春雨を加え、大根に火が通るまで煮る。
<春菊となめこのからし醤油和え>
*なめこは茹でて流水で軽く洗い、水気をとっておく。春菊はサッと茹でて、冷水にあげ、水気を絞って5センチ長さに切る。ボールになめこ、春菊を入れ、醤油、からし、酢少々を加えて和える。

から揚げにしたフグは、もちろん国産でもとらふぐでもないが、なんと¥190で手に入れた代物。冬になると近所のスーパーで「鍋用」としてよく売られていて、通常でも15センチほどのものが、4匹で¥380円という安さなのである。で、今回はそれがさらに半額になっていてのこのお値段。でも全然美味しく食べられて、贅沢気分にも浸れて、お徳感ばっちり!なのである。
旬寒鍋は、さっぱり薄味で仕上げるとたくさん食べられて、体も温まる美味しいすぐれもの。今日はお弁当に入れたけど、普段なら土鍋を囲んでハフハフ言いながら食べるのもさらに美味。
和え物に使ったなめこは大きな生のもの。半分は朝食で味噌汁の具になり、お弁当にも活躍してくれ大感謝。食感だけで味がボケがちななめこ君ではあるけれど、からし醤油で味にメリハリを出してさらに美味しくね~。