日曜日の夕方。
ゴンザと買い物をしている時だった。
一パック60円の『お買い得マイタケ』を見つけたのは。
じゃがいも『アンデスレッド』、ためしに掘ってみました。
元が田んぼで土が固いこの畑は、お芋にはあまり向いてないみたいだけど、
おっ、なかなかしっかり実ってくれている~♪
休日の閉店時間前とあって、目玉商品が多かったこの日。
私はすでにカゴの中に、特売のシシトウを入れていたので、
「ああ、そうだ。畑で採れたナスやいんげんと合わせて
天ぷらにでもしたらいいのじゃないか」と思い、
ゴンザにその案を告げると共に、
「マイタケも買って行こうか?」と、そう尋ねたのだった。
畑のあとはアイスクリームデート。
コールドストーンクリーマリーで、手前が『ジャーマンチョコレートケーキ』
向こう側が『ファウンダーズフェイバリット』。
う~ん、すんげー甘いけど美味しい!
.....と。
私の揚げた天ぷらが大好きなゴンザはその案に大いに喜び、
さっそく目の前にあるマイタケのパックをカゴに放り込む.....。
「一パックにする?それとも二つ買っちゃう?」と尋ねる私の声など、
聞こえないかのように、三つも。
そういえば、先日チャリで周った『港北七福神』ですが、
こちらも非常に楽しゅうございました♪
近々、報告レポートを書きますね!
「ちょ、ちょっと!三つも要らないんじゃない!?」
ただでさえ我が家の天ぷらは、普段から二人前にしては多すぎるのに、
そこにマイタケが三パックでは、大変なことになってしまう。
.....が。
ふと見ると、ゴンザが泣きそうになりながら、
子犬のような目でこう訴え始めたのだ。
私は抵抗を諦める。
その七福神めぐりでお昼に食べたのは.....
ゴンザがわくわくしながら待っているものとは!?
「だって、だって....マイタケの天ぷらは美味しいからすぐなくなっちゃうんだよ!?
二パックじゃ、すぐになくなっちゃうんだよ!?」
毎度お馴染み、3歳児のように、ジタバタして訴える男。
その姿を見て私はなぜか、「人は変われば変わるもんだなぁ」と、
そう、遠い昔に思いを馳せた。
じゅーじゅー音を立てる鉄板の真似をフリつきで一生懸命して、
料理を持ってきてくれたおねいさんに笑われた男。
よかったねぇ、大好きな『きれいなおねいさん』に笑ってもらえて(笑)
思えば.....。
二人が一緒に暮らし始めた頃。
ゴンザは自意識過剰の権化みたいな男で、
変な『男の沽券』みたいなものにこだわっていて、
つまらないことにすぐ腹をたてていた。
あれはもう何年前のことだろう?
二人でスーパーに行って、こう言った私に、
モロに嫌な顔をしながらゴンザがこう返してきたことを、
今もはっきりと覚えている。
「今日はゴンザがいるから重いものもたくさん買えるね♪」
「.....俺は荷物持ちかよ?」
一度入ってみたかったファミレス系のハンバーグ屋さん『ビッグボーイ』。
体験出来て嬉しかった(笑)
当時の彼は、『何でも楽しむ』ということを知らなかった。
「お散歩に行こうか?」と言えば「暑いからいいや」と言い、
『遊ぶ』といえば『お酒を飲みに行くこと』だと、そう考え、
お金がなければ楽しいことなど何も出来ないと.....
そう考えているような人だった。
ゆえに、二人で迎えた最初のGWなどは、
引っ越し直後で予算もないゆえに家で寝てばかり。
あまりのつまらなさに、私は「つまらない!」と泣き出したほどだった。
が......。
今ではこの変わりよう。
始めは無理やり彼を引っ張り出していたほうの私が、
今では引っ張り出されるほどのアクティブさだ(笑)
ちなみに七福神めぐりでは、各お寺・神社等で、こんな
七福神様の『お姿』(ミニチュア・400円)を分けて頂けます。
あの日。
あのGWの真っ只中。
窓の外に広がる素晴らしい青空を、うらめしく見つめ泣く私にゴンザは言った。
「ずっと夜働いてきたから、いつも昼間は寝てて.....
だから昼間遊ぶってどうしたらいいかわからないんだ。
教えてくれれば出来ると思うんだけど」
あっ、そういえば七福神めぐりの帰りには、鶴見川の『中洲もどき』で、
こんな可愛い方々を見つけましたよ~♪
でもね、真ん中の方だけなぜか顔が酷く汚れちゃってるの。
何があったのかなぁ。
そう、だったのか.....。
それからは、釣り、路地探検、流れ星観察、商店街巡り......
いろんなとこへ行った。
荷物持ちは『男のプライド』が許さなかった男は誰より買い物を楽しみ、
買い込んだ重い野菜やら何やらを車に積み込むために、
進んで何度でも一人で往復してくれる人になった。
方向音痴の私には任せられないと、
一生懸命地図をチェック中(笑)
また、「ディズニーランドなんて面白いと思ったことがない」と言った男が、
はしゃぎすぎてパスを落とすほどにディズニーを楽しみ、
「花火なんてまともに見たことがない」と言った男が間近にそれを見て、
感動のあまり目を潤ませるようになった。
その上、ガイドブックを買ってはマル秘鑑賞スポットを探したり、
場面によっては協賛席チケットをとったりするようにまで。
と、同時に酒はほとんど飲まなくなり、タバコもやめ.....。
体重だけは増え続けたけど(笑)
増える体重と引き換えに、彼は無駄な自意識を身からどんどんそぎ落とし、
初めの頃は頻繁だった声を荒げることも、不機嫌さをモロに出すことも、
一切なくなった。
だから......。
お寺の境内で見た、蝶々のプロポーズ。
この後、このお二人さんはめでたくカップル成立となりました。
その後見かけたカラスアゲハ君はふられてたけど(笑)
ちなみにゴンザ、以前は虫もキライでした。
今では「かわいいねぇ♪」と言うようになったけど。
たかがマイタケ一パックのことで泣きそうになるゴンザのことを、
プライドどうこうと言う人もあるかもしれないけれど、
私はそうは思わない。
第一、つまらない『男の沽券』など、
女から見れば意味のないものがほとんどなのだから。
マイタケ一パックで泣きそうになるゴンザではあっても、
本当の意味では、以前とは比べようもないほど「男」だ。
『自己愛』と『プライド』とはまったく違うもの。
どこにでも人生の楽しみを見つけようとする彼は眩しい。