猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

もったいない塀。

2010年10月21日 04時30分23秒 | つぶやき

 

先日行った箱根で見つけた白い小花。
楚々とした姿が美しい。

 

「美味しそう」「美味しい」

ものを飲み食いするときに、それ以外の何が大切だろうか?

「詳しくないから」

ワインを飲んではいけないと、誰が彼らに言ったのだろう。

...または敷居を高くしたのは?

店で、「グラスのワインもいくつかございますので」と、説明すると、
しばしば、この「詳しくないんで」「わからないんで」という、
戸惑った答えが返ってくるのに驚いている。

「興味はあるけど、飲んでみたいけど...こういうの、
 ~の香りがするとか、わからなくちゃいけないんですよね?」

「いえいえ、全然そんなことないです!」

そりゃあ、プロになりたい人限定のことで.....

そんな敷居があると思いこんで、ワインを敬遠してしまうのだとしたら、
それはワインを飲んでみたい人にとっても、
当のワイン自身にとっても、この上もない悲劇である。

 

どんな状況で誰と飲んだか。
それだって味わいのひとつだもんねぇ。
互いの誕生日を祝って、女二人の箱根旅。
ゴンザが持たせてくれたシャンパンは、
これもまた実にぜいたくで美味しゅうございました♪
ちなみにこんなぜいたくなのは、年に一度飲むか飲まないかですが(笑)
安いスパークリングでも美味いのは美味いから、普段はそれで十分!

 

「ご自分が美味しいと思われるのなら、それが一番だと思いますよ。
  実は我々だって、全然詳しくないですから(笑)
 どんな味が好きか、どんな味を飲んでみたいのか、言っていただければ.....
 我々なんて、『うん、赤!』『うん、これは白だね!』色がわかる程度です。
 売っててそれはどうかと思いもするんですけどね(笑)」

詳しい人には詳しい人の楽しみ方があろうが.....

誰かの蘊蓄にビビって
「そうか、そういう風に言えなきゃワインを飲んじゃいけないのか」
なんて思いこんでしまう傾向にあるのは、
まじめな日本人には仕方のないこととしても。

あまりに深くて、あまりに広いワインの世界は、
イメージだけで敬遠してしまうには、
あまりにもったいな過ぎる。

だからこそ、気軽に、誰もが、楽しめるものであるべきだと。

どんな国のどこのワインでも、美味ければいいじゃないか。

安いからまずかろう、
または、高いから絶対に美味いってことでもないのだし。

 

またまた唐突に登場、みニャさん、ちゃあこです。
少し前の話ですが、足が汚れていた私は、
ゴンザに濡れたティッシュで、ゴシゴシされました。
う~、暴れたいけど、ゴンザは優しいので我慢我慢!
(これがerimaだと超乱暴なの!)

 

素人丸出しの私が言うのもなんだけど、
そもそも、楽しく美味しく飲むのが酒だとするならば、
蘊蓄はエッセンス程度でいいのではないか。

店を始めて、初めて知った、
今はまだ、ワインにとっては受難の時代だということ。

「詳しくないから」と、誰かの心にどこかで出来てしまった塀が、
とても残念に思えてならない、私とゴンザである。

たとえば詳しい人が、まったくワインがわからない人に、
「美味けりゃそれでいいんだって!」と言ってくれたら。
(まあ、ほとんどの詳しい人が、そう言っているとは思うんだけどね)

ワインの、この上ない味方になるのになぁ。