ホントに1カ月かかりました。
今回の個展のメイン作品『シチリアへ』が、昨夜 織り上がりました。
この1か月間、毎日毎日 雨の降る日も 雪の日も 風が吹く日も 晴れの日も
織り続けていました。
どんなに頑張っても1日5㎝も織れない日々でしたが、ひたすら織り続けていました。
個展のタイトルが『シチリアへ』
これです(70㎝×75㎝) タペストリーとなります。
シチリア島の都市タオルミーナのギリシャ劇場から眺める眺望です
左にイオニア海、正面にエトナ山 今でも この眺望は目をつぶっても浮かびます。
ギリシャ劇場は、円形の観客席で、現在でも使われています。
エトナ山をボヤ~っとした色と細い糸を使うことで遠近感を出しました。
景色を絵織りにすることは、〈家〉と〈木々〉が難しいです。
さらっと流したいところですが、今回 思わぬところで知恵をもらいました。
それはFacebook仲間です。
FB(Facebook)は付き合いで入っているだけですが、
ギャラリーの勧めもあり、作品ができるたびに アップしてきました。
これがギャラリーのメディア対策だそうです。
ですので、一般公開してきましたが、当然 未知の方からのコメントもあります。
その中で「自分はこういう織り方をしています」みたいなものもあり、
今回は、それを参考にしたものもあります。
まさに〝目からうろこ”の内容があり、おかげさまで「私はまた進化できた」みたいな
新鮮な喜びがありました。
〈家〉は1軒ずつ織りました。これ 大変です!
どれだけの糸を使ったか数えられませんが、この糸たちを助けてくれた部品がこれです。
『杼(ひ)』と呼びます。
小さいものは13㎝、15㎝、17㎝、19㎝ となっていきます。
これに糸を巻き横糸として織ります。
数が足りなくて、何度もほどいて、別の糸を巻いて使います。
絵織りには欠かせない小さな杼です。
まだ、織り上げたばかりで、これから糸始末をして、裏に硬い芯を張り、裏地を付けて出来上がりです。
これさえ織り上げれば、DMも作成できるので、昨夜はホントにホッとしました。
まだまだ、同様に作品を織りますが、毎月 1作品に決めて織って行きます。
ホッとした夜、ジャックダニエルの濃い液体は私の喉を熱く潤してくれました。