壁モノとして最後の作品、暖簾を織りました。
毎回、暖簾を織りますが、これが好評なんです。 なぜ?
最初は初日に入ってきた方が、ろくに他の物を観もせずに
「これください」とおっしゃったのには、ビックリして「は?」と
言ってしまいました(笑)。他も観てよ~~っていう感じでした。
それは゛よろけ織り”という2色でウネウネと曲線を付けて織っただけのものでした。
これに図に乗って、その次は、かなり意識して織りました。
オリーブ色の糸を探し、織成(しょくせい)織りという織り方にしました。
これは正倉院の御物としても保存されている技法で、伝統的織り方です。
透けた織りの中に少し太めの糸で模様を入れるのです。これは私は得意です。
オリーブ色の糸に浮き出た渦巻きや雲の模様で、≪悠久のトルコ≫という個展タイトルだったので
『Zeytin・・Zeytin・・Zeytin』として展示しました。
Zeytinとはトルコ語でオリーブのことです。
これも初日に売れました。その後 何人の方に「売れてしまっている・・」と残念がられたでしょうか。
で、今回も図に乗って(笑)、織成織りの暖簾を織りました。
藍染めのコットンを使い、3色のスラブ糸で表情をつけました。
このタイトルは『ティレニア海』です。
シチリア・チェファルから遠く眺めたティレニア海の美しさはこんなものじゃないのですが、
少しはイメージに近づけたかな?
7回目となる個展はもうすぐです。
まだまだ準備不足で、織りも続けますし、明日からは染めに入ります。
潰した柿の木が「染めてよォ」と待っています。