渡部秀清さんからの新年初メールです。私たちが伝統だと思っているものも存外政治にうまく利用されているやもしれません。
渡部さんより
2014年明けましておめでとうございます。
2014年と言えば、100年前に第一次大戦が勃発しました。
100年後の現在、世界は再び第一次大戦前夜に近いものになってきました。
なぜか?それは、
第一次大戦ではロシア革命が起こり、社会主義が生まれました。
第二次大戦後は中国やベトナム、東欧やキューバにも社会主義が生まれ、
社会主義陣営が形成されました。
しかし、その後、社会主義の変質と崩壊により、
世界は第一次大戦前のように
再び資本主義だけが支配するになってきたからです。
その結果、第一次大戦前夜のように、
世界の市場と資源をめぐるる争奪が激しくなってきているからです。
そして、「戦争は他の手段を以ってする政治の延長」(クラウゼビッツ)なのです。
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12月19日、猪瀬東京都知事が辞職に追い込まれました。
猪瀬氏と近い存在だった石原氏、橋下氏は、
このままでは孤立すると思ったのか、急に安倍首相に擦り寄ってきました。
橋下氏は、安倍首相の靖国参拝(12月26日)に対して、
「日本のために命を落とした英霊に敬意を表するのは当たり前」と述べ
安倍首相を擁護しました。
石原氏は、1月5日のテレビで、安倍首相を
「久しぶりに総理らしい総理だ」と持ち上げました。
そうした中で、安倍首相は1月6日、
伊勢神宮を参拝し、あえてそこで記者会見を開きました。
マスコミは「恒例」と言って問題にしないようですが、
これは靖国参拝同様公然たる政教分離違反です。
伊勢神宮は天皇の祖先神とされる天照大神を祀る神社ですから、
皇国史観のシンボルともいうべきところです。
しかもその記者会見の内容も大きな問題を含んでいます。
彼は公然と、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更や
憲法「改正」の論議を加速させるべき、との認識を表明しました。
また、靖国参拝について中国、韓国の首脳に対して
「真意を直接、誠意を持って説明したい。前提条件をつけずに
首脳同士が胸襟を開いて話をするべきだ」と述べました。
相手を怒らせておいて、このようなことを抜け抜けと言う。
相手の心を傷つけておいて謝りもせずに、
「俺の真意は傷つけるつもりはないのだ理解しろ」
と開き直っているのです。
もし「胸襟を開いて話を」したなら、
喧嘩以外のなにものにもならないでしょう。
ますます、関係を悪化させるだけです。
これほど、身勝手な論理はありません。
まさに主観的観念論そのものです。
スイス出身のタレント、春香クリスティーンさんが
安倍首相の靖国参拝について、
「海外とこの問題で比べられるのが、
もしもドイツの首相がヒトラーのお墓に墓参りをした場合他の国は
どう思うのかという論点で議論されるわけですけど」
とテレビ述べた(12月26日)のは、客観的な見方であり正しいのです。
ところで、神社などに関して日本の人々は、
いつの時代もみんなが快く思っていたわけではありません。
江戸時代後期に、
山片蟠桃(やまかたばんとう)(1748~1821)は『夢の代』という本で
神社などを痛烈に批判しています。
彼はまず、中国の経書に見られる鬼神の説を批判し、
次に日本古来からの鬼神の説、
また仏教が入ってきてから広まった鬼神の説を批判し、
最後には狐や狸などの妖怪の説をも批判し、次のように述べています。
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「実ニ鬼神ナシ。ユヘニコノ罰モナキ也。
実ニ鬼神アルナラバ神罰ヲ(蒙(こう))ムルベキナリ。
コレ鬼神ナキノ証ヲミルベシ。
今ノ巫祝(ねぎかんぬし)タルモノ、伊勢ヲ始トシテ、
大社小社ノ神ミナサマザマノ虚説奇験ヲ云(いい)出シ、
其(その)神ノ奇異ナリトシテ愚民ヲアザムキ、
神ヲ(蔑如(ないがしろ)ニシテ堂社ヲ建立シ、己ガ私欲ヲ逞(たくましく)クス。
アルヒハ開帳ト号シテ、神像ヲ人ニサラシテ銭ヲ投)(うた)シメ、
宛(あたか)モ神ヲシテ乞児ノゴトクナラシムルハ、イカナルコトゾヤ。
コレ巫祝ノ心ニヲヒテ実ニ神霊アリトセバ、
カク神ヲ汚スコトハアルマジキ也。
本ヨリソノ神ナキヲシルユヘニ、カゝル不敬ヲナシ神ヲ汚シ、
サラシモノニシテ、其己ガ私欲ヲシテモ神罰ノナキコトハヨク知タルユヘニ、
カク神ヲウリテ私欲ヲホシイマゝニスル者也。
前ニ云ゴトキノ神託・仏告ノルイハ、ミナ巫祝ノ作リゴトナリ。
一人モノコラズ、無鬼ノコトヲシリテスルコトナリ。」
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まさに、痛烈・痛快な鬼神批判です。
科学が発達したと言われる現代でも、
この蟠桃の批判を越える鬼神批判はないでしょう。
これこそ日本人民のすばらしい伝統です。
全国のみなさん、今年もともに闘いましょう。
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来春の卒・入学式を前に、
来年2月、【東京】と【大阪】で、互いに連帯した集会が開かれます。
【東京】
<集会名>「日の丸・君が代」強制反対!教育の国家支配と闘おう!
2・2 総 決 起 集 会
<日 時>2014年2月2日(日) 13時開会
<場 所>東京しごとセンター 地下講堂
(JR/地下鉄飯田橋駅下車8分) 地下鉄九段下駅5分)
<講 演>高橋哲さん(埼玉大准教授)
憲法「改正」と安倍政権の教育改革のゆくえ
<基調提起>永井栄俊さん「都教委の教育政策の流れ」
<現場からの報告>
・分限処分・懲戒処分対象者の昇給制度・新給与表
・田無工業高校の自衛隊朝霞駐屯地宿泊防災訓練問題
・生活指導統一基準学力スタンダード
・卒・入学式に向けての現場からの報告その他
<集会決議><行動提起>
<主 催>都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネット
連絡先:090-5415-9194 包囲ネットのブログhttp://houinet.blogspot.jp/
<資料代>500円
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【大阪】
<集会名>止めよう!子どもを戦場に送る国づくり
許すな!「日の丸・君が代」強制
教育の国家支配に反対する2・11大阪大集会
建国記念の日反対!
<日 時>2014年2月11日(火) 13時開場 13時30分開会
集会後(16:45~)デモ
<場 所>大阪市立西区民センター
(地下鉄千日前線「西長堀」駅⑦番出口100m)
(地下鉄鶴見緑地線「西長堀」駅③番出口100m)
<講演>三宅晶子さん(千葉大教授)
思想・良心の自由と教育の現在
~ドイツ、日本の思想弾圧と戦後「想起の文化」を検証しつつ~
<三宅さんからのメッセージ>
7月、麻生副首相はナチスの「手口に学んだら」と発言しましたが、
12月6日、安倍政権は、ナチスの「全権委任法」的国会状況の中で
特定秘密保護法を強行採決し、
ゲシュタポ(国家秘密警察)国家への一歩を大きく踏み出しました。
2.11.大阪集会では、半年でナチス独裁国家に変えられたドイツと
日本の歴史を検証しつつ、現在の危機と課題を
みなさんとともに真剣に考えたいと思います。
この日々を戦争前夜にさせないために。
<発言など>
●「君が代」被処分者からのアピール
●全国からの報告
●橋下「改革」等に反対する人々からの発言
<主 催>「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる
大阪ネットワーク
<資料代など>700円 手話通訳・保育アリ
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