昨日(5/23)の抗議行動動画第二弾を掲載します。大阪ネット代表黒田伊彦さんが、「君が代」強制処分を不当性を糾弾します。
2014.5.23 大阪 井前弘幸さんに対する職務命令攻撃への抗議行動第二弾
昨日(5/23)の抗議行動動画第二弾を掲載します。大阪ネット代表黒田伊彦さんが、「君が代」強制処分を不当性を糾弾します。
2014.5.23 大阪 井前弘幸さんに対する職務命令攻撃への抗議行動第二弾
昨日(5/23)、大阪府教育委員会は、入学式での「君が代」不起立について事情聴取を行うとして府立高校教員井前弘幸さんを「呼び出しました。日の丸・君が代」強制反対大阪ネットワークは、弁護士の立会いを求める井前さんを支持し支援行動を行いました。
山田光一事務局長は、今回の経緯を暴露し、このような人権侵害を見過ごせば、それはすなわち生徒への人権侵害をも許すことになると抗議しました。
2014.5.23 大阪府教委職務命令乱発攻撃に対する抗議行動
佐々木有美さんから根津公子の都教委傍聴記が届きました。レイバーネットHPより掲載します。
根津公子の都教委傍聴記(2014.5.22)
前回4月24日の定例会では非公開議題に入学式「君が代」不起立処分案件が予測されたため、公開議題を終え、処分案件の非公開議題に移る時点で、傍聴者20人のうちの半数が退場しながら、「君が代」不起立処分の不当性について、ことばにした。各教育委員にしっかり考えてほしかったからである。それに対し木村委員長は、議事妨害の現認確認を担当職員に指示し、担当職員は今日の傍聴受付時に2度目の現認をされた人に対し、「誓約書」に署名を強要した。
そして、今日も定例会の冒頭、木村委員長は「議事妨害に対しては厳しく対処する」と宣言。背面監視も続く。都教委を批判する者を敵対視する教育委員と事務方である。
今日の公開議案は①「進学重点校の指定について」と他1件、報告事項が3点(②「卒業式・入学式の実施状況について」 ③「グローバル人材の育成に向けた取組(高校)について」 ④「平成25年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」)。
毎回の定例会で、事務方の議案・報告も、それを検討する教育委員の発言・対応もエリート教育にしか関心がないのか、ノンエリートは自己責任でと考えているのかと思わざるを得ない。今日もしかり。
①「進学指導重点校の指定について」は、青山高校を新たに進学重点校に指定したいという議案。進学重点校に指定されるには、「難関国立大学等現役合格者数15人」など3つの選定基準に達することが要件となる。2012年、8校のうち7校が基準に達して更新されたが、青山高校は基準に達しておらず、以降2年間の大学合格実績を見て判断することになっていた。この春の実績は基準(難関大学現役合格数が17人)に達し、青山高校は3年間の更新が可能となり、進学指導重点校に指定することが承認された。進学重点校への予算配分は、他の高校に比べ、群を抜く。
③「グローバル人材の育成に向けた取組(高校)について」: 今年度3期生を出す「次世代リーダー育成道場」(都立高生徒、都立中及び都立中等教育学校生徒 100人×2を1年間海外に留学させることが主な役割。一人あたりの総費用300万円のうち、8割は公費負担)、来年度、国際高校に国際バカロレア(国際バカロレア機構が認定した学校で学び、統一試験に合格することで、国際的に認められる大学進学資格を取得できる)の教育プログラムを実施するコースを設置するなど、エリート育成に金を注ぎ込むのが、今の都教委の方針である。
「グローバル人材の育成に向けた取組(高校)について」は、「使える英語力」、「高校在学中の留学」と「海外大学進学」、日本人としての自覚や資質の涵養が課題であるとし、今年度の取り組みとして、次のア~キを上げる。
ア.外国人招致(現在5人を100人に)とネイティブ(1年次105時間すべての授業に)を入れた英語の授業の拡大 イ.英語科教員140名を英語圏の大学に派遣 ウ.英語教育重点校10校の指定 エ.次世代リーダー育成道場による留学支援の継続 オ.来年度中に国際高校において国際バカロレアの認定を目指し、施設整備、ネイティブの雇用等推進 カ.JICAの施設に高校生100人を派遣し、国際貢献のための体験研修(25人ずつ5泊6日)の実施 キ.日本の伝統・文化を学ぶ科目の設置(すでに39校が設置) ウ.の英語教育重点校10校は、「海外研修に毎年40人以上(の生徒)が参加している」「次世代リーダー育成道場に2桁の応募がある」「外国語コースが設置されている」「留学生を受け入れている」などの「実績」から指定したという。
配布された資料には英語教育重点校の取り組みとして、「外国人の授業の実施(全学年)」「生徒の海外語学研修の実施」「留学生との交流」などが挙げられている。そうすると、すべての高校で「ネイティブを入れた英語の授業の拡大」をするのではなく、英語教育重点校で行う、あるいは、重点校に極端に厚いということか。
進学重点校の指定、次世代リーダー育成道場、国際バカロレア、そして英語教育重点校。これらが重複して特定の高校に集中する。不平等もいいところだ。
憲法26条「教育を受ける権利」は「すべて国民は、…その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する」と謳う。「その能力に応じて」と限定することによって、養護学校・特別支援学校をつくり、ノーマライゼーションへの道を阻んできたと思うのだが、都教委が今、ノンエリートには自衛隊駐屯地での宿泊訓練を、エリートには金をふんだんに使ってグローバル人材の育成をするのも、「その能力に応じて、等しく」と開き直るのだろうか。
② 卒業式・入学式の実施状況について」では、「国旗掲揚」「国歌斉唱」「会場設営等」についての、全都の学校からの報告を一覧表(A3用紙10枚)にして提示し、「国旗掲揚、国歌斉唱、すべての学校で適正に行われた。職務命令違反が○名あった」というだけのものだった。
前回の定例会で「都民から寄せられた苦情や請願の件数、内容」の報告の中に、「君が代」不起立処分についての批判がかなりの数あったにもかかわらず、ここでもまったく、委員からの発言討論はなかった。
③ 「平成25年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」では、「2013年度は2012年度に比べ、体罰が減った。体罰をした教職員110名のうち、複数回行った者が25人」などの報告。「体罰の程度が著しい事案」として「野球部の活動中に、宿題や教員に対する態度について1名の生徒を指導した際、同生徒に対して、足を蹴る、胸への張り手をする体罰を計20回程度行うとともに、右手で左側頭部を3回程度叩き、右胸両下腿打撲傷の傷害を負わせた」など24件が校名をあげて報告されている。
報告を受け、「体罰の認識が広まった。しかし、(体罰をした教員の)感情がコントロールできなかったですまされない事案がある。体罰は許されないが、教員からの聞き取りも必要ではないか」(竹花委員)との発言があったが、その真意がどこにあるのかがわからなかった。生徒に問題があるときには、教員の処分を軽減してもいいということなのか、と疑問に思った。
「君が代」不起立で停職通算22か月の処分を科された私に比べ、体罰に累積加重処分はなく、何度繰り返しても軽い処分である。処分の軽重は、処分事案に対する都教委の認識を反映する。都教委をあげて体罰防止に取り組むというならば、傷害を負わせても、心に傷をつけても軽い処分で済ませることはしないはず、と思うのだが。
*写真=佐藤茂美