7月1日、政府は集団的自衛権行使容認を閣議決定しました。安倍首相が、「決して」「断じて」「あり得ない」と、日本が戦争することをいくら否定しようとも、限定がいかようにも解釈できるあいまいな表現である以上、時の政権が戦争に突入する危険は極めて高くなったと言わざるを得ません。
そして、閣議決定と同時に、全国の高校3年生に自衛隊の勧誘通信物が送られているとの情報が寄せられています。今後「愛国心」の強制がますます進むことを危惧します。
いや、すでに集団的自衛権行使のために、教育は着々と利用(悪用)されつつあります。教科書への介入もその一つです。
大阪は昨年、「君が代」強制の事実を記載した実教出版の日本史教科書採択に関して、補完教材が強制されました。今年も、教科書への介入は続きます。
教科書大阪の会が粘り強く教育委員会と交渉を続けています。そのプロセスで明らかになったことは、府教委が最初に結論ありきで教科書調査を行なっている実態でした。つまり、「君が代」強制の事実を記載している実教日本史を最初から「課題あり」とすることを前提とした調査ではなかったか、ということです。また、補完教材についても、府教委の一方的な見解の押し付けではないか、という質問にいまだ府教委は明確な回答をしていません。
上意下達、あるいは政治の介入によって、教育がますます歪められていくとき、歪んだ「愛国心」によって、戦争への駆り立てられる危険があります。
日本を戦争国家にしないためにも、教科書への介入問題を多くの方々と共有していきたいと思います。
教科書大阪の会が大阪府教育委員会へ再質問書を提出しました。お読みいただき、教科書とはどうあるべきなのか、考えていこうではありませんか。